【特殊報】トマトにトマト立枯病県内で初めて確認 徳島県2025年3月26日
徳島県立農林水産総合技術センターは、トマトにトマト立枯病を県内で初めて確認。これを受けて、3月25日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第2号を発表した。
図1:株の萎凋・枯死(提供:●病害虫防除所)と図2:地際部の褐変(提供:徳島県)
徳島県立農林水産総合技術センターによると2024年12月、徳島県阿波市の施設栽培トマトにおいて、株が萎凋し、地際部が褐変腐
敗する症状を確認(図1、2)。また、当該症状が認められる株の茎表面には赤色の小粒が多数形成されていた(図3)。
図3:罹病部表面に多数形成された子のう殻(提供:徳島県)
徳島県立農林水産総合技術支援センター病害虫防除所において病徴部から菌を分離し、形態観察及び遺伝子診断を行ったところ、徳島県で未確認のFusarium solani-melongenae(完全世代Haematonectria ipomoeae)によるトマト立枯病であることが判明。また、同分離菌株をトマト苗に接種したところ、発病が確認された。
同病は、1990年に愛知県で初めて発生が確認され、その後、9県で報告されている。
◎病徴及び病原菌の生態
(1)同病原菌は糸状菌の一種で、子のう菌類に分類される。
(2)地際部や葉かき跡の褐変、ひび割れが見られ、茎内部は黒褐色に腐敗する(図4)。
図4:茎内部の腐敗症状(提供:徳島県)
(3)罹病部表面に、赤い小粒(子のう殻)が多数形成される場合が多い(図3、5)。
図5:子のう殻・子のう(提供:徳島県)
(4)病徴が進展すると、葉の黄化、株の萎凋症状を呈し、枯死する。
(5)同病原菌はトマト以外にナス、ピーマンに立枯病を引き起こすことが知られている。
(6)詳しい伝染様式は不明。罹病残渣に付着している病原菌が伝染源となり、飛散した分生子や子のう胞子が付着することにより感染すると考えられる(図6)。
図6:PDA培地上に形成された小型分生子(提供:徳島県)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
現在、同病に対する登録薬剤が無いため、以下の防除対策を実施する。
(1)生産資材の交換や消毒を実施する。
(2)発病株は伝染源となり得るため、発見後は直ちに抜き取り、ほ場外で適切に処分す
る。
(3)栽培終了後は施設内に残渣を残さず除去し、靴底消毒など衛生管理に努める。
(4)定植前に太陽熱土壌消毒等を実施し、第一次伝染源となる病原菌の密度を下げる。
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