茨城大 グリーンバイオテクノロジー研究センターを4月に開設 微生物研究で気候変動緩和・環境保全目指す2025年3月28日
茨城大学は4月1日、新たな研究組織「グリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech)」を開設する。長年にわたる環境科学・気候変動適応科学の研究・教育をベースに、気候変動緩和やエネルギー分野の取り組みなどを統合した「総合気候変動科学」の創出を目指している。
小松﨑センター長と西澤副センター長
茨城大学は農学・応用生物学の分野で不耕起栽培やカバークロップによる二酸化炭素の土壌貯留の実証研究に加え、近年はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション(GI)基金やグローバル規模の財団からの支援により、農業生態系から発生する温室効果ガスを微生物を介して低減する新たな技術の開発にも注力するなど、先進的な取り組みを進めている。
農法や微生物の遺伝子解析を通じて土壌微生物の生態に直接的・間接的に働きかけ、持続可能な農業の実現と、気候変動対策・環境保全を図るのが「グリーンバイオテクノロジー」。茨城大学ではその研究・技術開発の拠点として「グリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech/ジーテック)」を新たに立ち上げる。
グリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech)の暫定ウェブサイト
同センターは、微生物を活用した農業や生態系における温室効果ガス低減に取り組む「農業・生態系保全ユニット」、微生物による物質循環機能のゲノム解析の解明に取り組む「微生物遺伝子情報解析ユニット」、これらの研究の社会実装を促進する「社会共創ユニット」で構成する。
設立記者会見で、センター長予定者の小松﨑将一教授は「農業の在り方が将来の気候環境や持続的社会に大きく左右すると言われている。世界的にも農業生産において重要な役割をになっているアジアに位置する日本、とりわけ農業大国の茨城で気候変動を緩和する農業を研究し、それを地域に進めていくのが、このセンターの大きな役割」と語った。
農業・生態系保全、微生物遺伝子情報解析の2つのユニットでリーダーを務める副センター長予定者の西澤智康教授は「土壌、海洋、湖沼と、地球上の至る所に微生物がたくさんいて、その目に見えない微生物たちが気候環境に影響を及ぼしている。この微生物たちをどのように解明し、いかにしてコントロールしていくのか。農業・生態系環境の物質循環系機能の解析と、食糧生産を維持したまま温室効果ガスの低減を目指すというのが我々のミッションだ」と語った。
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