日本のキュウリ ゲノム配列を初めて高精度で解読 農研機構2025年4月9日
農研機構は、日本のキュウリ品種「ときわ」のゲノムを高精度で解読した。キュウリのゲノムの解読は難しいとされてきたが、ロングリードシーケンス技術を用いて高精度の解読に成功。この成果によりDNAマーカーの開発が進み、キュウリの耐病性品種や耐暑性品種など、ゲノム情報に基づいた品種育成の迅速化への貢献が期待される。
キュウリ「ときわ」の果実
キュウリは主要な生鮮野菜の一つだが、近年は新たな病害による生育不良や暑さにより実がつきにくいなどの問題が深刻化しており、新たな品種の育成が不可欠となっている。また、キュウリを含む野菜のゲノム情報の解読はイネやムギなどの穀物に比べて遅れているため、従来よりも効率的な品種育成を可能とするDNAマーカーを用いた選抜に必要なゲノム情報が不足していた。
農研機構は、DNAマーカーを用いたキュウリの効率的な品種育成を進めるため、近代の日本のキュウリ品種の元祖ともいうべき重要な品種「ときわ」のゲノムを高精度に解読。キュウリのゲノムには短い塩基配列の繰り返しが大量に存在するため、その完全解読は困難とされてきた。これまでに公開されていたゲノム配列も、約3億3千万塩基対と推定されるキュウリゲノムのうち、解読できているのは2/3以下の2億1千万塩基対で1億2千万塩基対が未解読なままとなっていた。
今回、数万塩基から数十万塩基の配列を決定できるロングリードシーケンス技術を採用することで、未解読領域を5千万塩基対まで大幅に縮小して2億8千万塩基対(85%)を解読し、新たに2,000以上の遺伝子を発見した。
「ときわ」は、日本のキュウリの新品種育成の素材として広く利用されてきた品種。日本キュウリのゲノム情報が高精度で解読されたことで、耐病性や耐暑性などの有用遺伝子の効率的な推定が可能となる。また、新たな品種を育成するためのDNAマーカーを迅速かつ容易に開発できるようになることから、キュウリ品種育成の迅速化に貢献する。
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