農業用バイオスティミュラント「エンビタ」とは 水稲育苗期にも効果 北興化学工業2025年3月3日
近年、持続可能な農業が求められる中で、バイオスティミュラントが注目を集めている。北興化学工業株式会社が販売する農業用バイオスティミュラント「エンビタ」について紹介する。
「エンビタ」は自然界に存在する微生物「Gluconacetobacter diazotrophicus(グルコンアセトバクター ジアゾトロフィカス)」(以下、Gd菌)を利用した作物栽培用補助資材だ。グラム陰性の非芽胞形成偏性好気性桿菌の一種で「さとうきび」や「さつまいも」などの作物に内生している。商業的利用としてグルコンアセトバクター属は食酢やナタデココなどに利用されている。
Gd菌が学会等で紹介されるようになったのは1980年代後半であり、意外と新しくない。なぜ、今なのだろうか。
近年の研究報告でGd菌は植物成長促進や植物内生窒素固定などが知られ、細胞や遺伝子レベルでの評価も進んでいる。作物に処理されると細胞に内生して、大気中の窒素からアンモニア態窒素を供給する力をGd菌みずから持っているのが「エンビタ」だ。
有効成分として、Gd菌>5×108CFU/gが入っている。CFU:Colony Forming Unit(コロニー フォーミング ユニット)は生菌数を表す単位で、1gで5億の生菌数となる。「エンビタ」は1袋 50a分で6.25gとなり、30億以上の生菌数がいることになる。乾燥菌体なので、開封したら残さず使い切り、夏場は涼しい所で保管する。
Gd菌はどのようにして作物に入るのか。かん注や散布で葉、気孔、毛茸、根などから取り込まれ、細胞内に定着して、必要な時期、部位で大気中の窒素を固定する。その為、作物が活動する朝から日が陰る前までの処理がお勧めだ。
Gd菌と相性のよい作物として、現在当社としてイネ科やキク科作物の結果が集まっている。水稲では育苗箱に処理して発根促進、根重、茎数、収量の増加などの事例があり、一例を紹介したい。
上記の2023年試験では40a分の処理のため箱枚数が少なく、肩掛け噴霧器で散布した。
本試験では、育苗の段階から発根が促進されて根部生重量が増加、生育期では茎数が増加した。茎数が増加することで収量も増えた。「エンビタ」は大気中の窒素を固定して供給するので、食味が心配になり評価した。エンビタ区のスコアは84、慣行区は83となり、影響は少ないと判断ができた。
【「エンビタ」の上手な使い方(水稲)について】
①育苗期間に処理し、目安は緑化期以降で移植7日前頃。
②「エンビタ」は1袋 50a分を300ml程度に溶かし、寝ているGd菌を起こすため
に3時間程度置いて 、濃縮液を作成する (水道水可)。
③ 50a分の育苗箱を計算し、10aで16枚の場合、80枚分をかん注もしくは噴霧を選び、
液量を換算する。
・かん注:育苗箱1枚/500mlの場合、濃縮液を40Lに希釈して処理する。
*かん水装置はかん注扱いとなる。
・噴霧 :育苗箱1枚/30mlの場合、濃縮液を2.4Lに希釈して処理する。
*肩掛噴霧器や動力噴霧機など
④ 処理した「エンビタ」が乾くまで、散水しないこと。
*プール育苗の場合、入水する前に処理する。
⑤ 移植する。
「エンビタ」の移植水稲で有効事例を集めることを目的に、「エンビタ お試しキャンペーン」を実施している。エンビタの性能を実感してもらいたい。
詳細は当社ホームページもしくは二次元コードから
【キャンペーンの二次元コード】
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