トラクタ、コンバインが好調 平成24年の農機出荷額4454億円 日農工統計2013年2月1日
日本農業機械工業会(日農工)は平成24年1?12月までの日農工統計(農機の生産・出荷実績)をまとめた。トラクタ、コンバインの出荷が好調で、全体の出荷額は4454億円と前年を3%上回った(文中、比率はすべて前年比)。
出荷額は輸出向けが1%減の1524億円、国内向けは5%増の2930億円だった。
生産額は輸出向けがほぼ前年並みの1529億円、国内向けが8%増の2729億円で、合計では5%増の4258億円だった。
出荷額で前年を上回ったのは、コンバインが7%増の780億円、トラクタが4.5%増の2334億円、防除機が0.6%増の162億円のほか、乾燥機、籾摺り機、米選機など。
一方、前年を下回ったのは、田植機が3.8%減の401億円、耕うん機が2.7%減の204億円のほか、刈払機、精米機などだった。
◆トラクタ二極化進む
トラクタの出荷数量は15万719台で1.6%増。うち10万台以上が輸出向けで全体の7割を占めている。
国内向けに出荷された4万4993台を仕様別に見ると、20?30馬力が1万9406台でもっとも多く、次いで30?50馬力が1万611台だ。しかし、前年比で見ると、50馬力以上が16.3%増と大きく増えた。
大型のトラクタが伸びていることについては、「戸別所得補償金の交付や米価高値による購買意欲の高まりにより、特に担い手大規模農家が元気に動いたため、高馬力帯が好調に推移した。さらに、震災復興事業の影響で東北地区の需要も喚起された」(日農工総務部)とみている。また、今後のトレンドについては、「これからは小型と大型の二極化が進むだろう。ただし、5ha以上の農業経営体に農地が集約され経営規模が拡大し、農機の大型化がすすむだろう」と予測している。
◆堅調な米価が追い風に
コンバインの出荷はほぼすべて国内向けで、全体の出荷台数は2.2%増の2万2310台だった。
出荷が好調だったことについては、「シンプルで低価格な製品と高性能、高機能な製品の二極化傾向がより強くなった。堅調な米価と戸別所得補償の追い風により、市場が好ムードで推移した」と分析している。
また、コンバインの出荷のうち自脱型が2万1388台で1.1%増だったが、普通型が922台で36%増と大きくのびた。これについては、「自脱型では、担い手向けの大型機が引き続き市場を牽引していくだろう。普通型は、水田フル活用施策の浸透による転作作物の拡大で、堅調な動きが期待される」と予測している。
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