農機巻き込まれ事故防止の新技術 農研機構2013年3月22日
農研機構生研センターは、磁気を利用して農機の巻き込まれ事故を防止する新技術を開発した。
一般的な作業機械は、手や腕などの巻き込まれ事故を防止するため、カバーなどによって巻き込みの可能性がある部位を隔離したり、ライトカーテンによって作業者の有無を検知したり識別したりする仕組みを採り入れるなどの対策をしている。
しかし農業機械では、例えば自脱コンバインの手こぎ作業やハーベスタの刈取部のように、作業上・構造上の制約からカバーを適用できなかったり、農産物の形や水分などが一定ではないため検知・識別機能を導入できないなどの課題があった。
農研機構が今回開発したのは、鉄製チェーンや磁石を付けた手袋と、それを感知するための農機に取り付ける磁気センサだ。
センサが手袋の磁気を感知することで、作業者の手や腕を判別し、巻き込まれ事故を未然に防ぐ。磁気を利用しているため、物体的な接触がなく、また水分や作物などによる影響も受けない。
農機の部品にはたいてい金属が使われているが、センサの取り付け位置を工夫したり、当該部品をステンレス製に変えることなどで、正確な検知を可能にした。
今後、自脱コンバインの手こぎ作業部分へ適用して研究をすすめ、3年後の実用化をめざす。
(写真)
鉄製チェーンを取り付けた手袋(右)と、磁気センサ(磁心コイル)を取り付けた試験装置
(関連記事)
・「安全確認! みんな笑顔」 春の農作業安全運動ポスター作成 日農機協(2013.02.08)
・依然として例年水準 農水省が農作業死亡事故まとめ(2012.04.24)
・農作業事故に歯止めを 産官学が連携し対策強化 JAはだのでシンポジウム(2012.03.29)
・農作業事故防止と地域活動活性化で研修会 3月6日 日本農業機械化協会(2012.02.20)
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日