JA全農、春肥価格 7割の銘柄を値下げ2013年10月30日
JA全農は10月30日、平成25肥料年度春肥(25年11月?26年5月)の価格を決めた。国際市況の軟化などにより、複合肥料全銘柄の7割ほどで、前期(25年6月?10月)に比べて値下げとなる。
◆加里は値上げ
国産ナフサ・LNG、重油、包装資材の値上がりや円安など、価格の上げ要因はあったが、肥料原料の尿素、りん安の国際市況がともに軟化したため、窒素質肥料、りん酸質肥料ともに値下げとなった。
ただし、加里については、硫酸加里の需要が世界的に高まっていることなどから、円安の影響を大きく受け値上げとなった。
◆高度化成一般、0.5%値下げ
複合肥料は、高度化成肥料の基準銘柄「一般15-15-15」が0.5%の値下げ。また、近年需要がのびている被覆尿素入の高度化成肥料「14-14-14」も0.4%、低成分の「PKセーブ 488(14-8-8)」も0.6%と、それぞれ値下げする。
複合肥料で値上げとなるのは有機化成「8-8-8-3」で、0.3%の値上げとなる。これは、化学合成の緩効性窒素、加里、ナタネ粕や魚粕などの有機質肥料が値上がりしたため。
◆PKセーブエコに塩安系3銘柄を追加
JA全農では、この価格とあわせて施肥コスト抑制銘柄の開発・普及状況や今後の取り組みなども発表した。
新たな製品としては、8月から、地域の未利用資源を活用しようと、家畜ふん堆肥などを原料とする「混合堆肥複合肥料」の販売を開始した。また、9月からは、PKセーブより安価な「PKセーブエコ」に塩安系3銘柄を追加した。
そのほか、ナタネ粕、大豆粕などの有機肥料原料が高騰していることの対策として、安価なインド産ひまし油の採用を増やし、有機化成、配合肥料の価格抑制の取り組みを始める。
そのほか、4月に資本参加した中国の「瓮福紫金化工股●有限公司」から輸入するりん安の数量を拡大し、原料の安定確保と調達コストの抑制の取り組みを強化する。
(※ ●はにんべんに分)
(関連記事)
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