農作業死亡事故減らせ 地域の取組みを全国に2014年3月4日
3月1日?5月31日春の農作業安全運動
農水省は毎年約400件もの発生がある農作業死亡事故を減らそうと、農繁期にかかり事故が多発する3?5月を農作業安全対策の重点期間として「春の農作業安全確認運動」を実施している。今年のテーマは「あなたの地域から広がる、農作業安全」。地域での農作業安全の取り組みを支援し、また、これまで地域が取り組んできた優良事例を全国へ広めることを目標にしている。一般社団法人日本農業機械化協会では2月27日、馬事畜産会館で、そうした情報共有を支援しようと平成25年度「農作業事故防止中央推進会議」を開いた。
◆運動効果高めるため、情報の共有を
この会議は農水省の後援を得て、農業機械士や都道府県の農業機械化指導関係者などを対象に、毎年開催されているものだ。
農作業の安全を確保するためには、農業者をはじめ関係者の安全知識・意識の向上が必要となる。このため全国の農業者と行政・研究・普及・JA・農業大学校など農業機械関係者が一堂に会し、農作業安全運動の効果を高める情報を共有することが求められる。
また、農作業事故を抑止する知識・技能の向上を図るため、新しい全国共通の農作業安全講習体系の検討について、意見交換を行うことなどが必要となる。
◆JA段階での運動拡大が課題
今回は、JA全中の鶴留尚之営農・農地総合対策部次長がJAグループの農作業安全推進の取り組みを紹介した。
JAグループでは平成22年に初めて農作業安全の取り組み方針を策定し、研修会開催や情報提供などの支援を行ってきている。取り組み開始から3年が経過した25年4月1日現在で、15の県域で農作業安全の検討などをすすめるための協議会が設置されたほか、独自の農作業安全月間を設定したのは43県域、研修会を実施したのは31県域となった。しかし、「JA段階で協議会を設置したのは56地域だった。方針で目標にしていた研修会、座談会の開催、JA管内の事故発生状況の把握、年間取り組み計画の策定なども低位にとどまっている」との課題もあるという。
JAグループでは、25年度末までの取り組みを総括し、26年度以降の取り組みを別途定めることとしている。
このほか会議では、千葉県農業機械士協議会が、県内各地でトラクター技術協議会を開き作業技術の向上を図っているなどの取り組みを報告した。
(写真)
JAグループの取り組みを紹介する鶴留次長
◇
すべての報告内容・講演者は次の通り(敬称略)。
▽「農作業安全に向けた政策について」(松岡謙二・農水省生産局生産資材対策室長)
▽「千葉県農業機械士会の取組みについて」(小川雅器・千葉県農業機械士協議会会長)
▽「新たな農業者の育成にむけて」(羽子田知子・農水省経営局就農・女性課経営専門官)
▽「農業技術検定における農業機械関係の取組み状況について」(五十嵐正裕・全国農業会議所日本農業技術検定参事役)
▽「JAグループの農作業安全推進の取組みについて」(鶴留尚之・JA全中営農・農地総合対策部次長)
▽「クボタグループの流通における農作業安全啓発活動」(高橋健・クボタアグリサービス(株)サービス企画部部長)
▽「新しい全国共通の農業機械安全講習体系の検討について」(森田豊・日本農業機械化協会指導部長)
(関連記事)
・最優秀賞にJAえちご上越 農作業の危険改善(2014.02.05)
・農作業事故防止の推進会議 2月、都内で(2014.01.30)
・地域農業システムづくりへ、JAの役割とは(2013.12.06)
・安全な農作業は永遠の課題 三廻部眞己氏に聞く(2013.08.30)
・「死亡事故ゼロをめざして」農作業安全確認運動(2013.08.29)
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