農作業死亡事故350人 調査開始以来最少2014年4月9日
農水省は4月8日、平成24年の農作業死亡事故のとりまとめ結果を公表した。年間の死亡者は350人で、調査開始以来最少だった前年の死亡者数を16人下回った。
◆80歳以上が8割
350人のうち、278人と全体の8割近くが65歳以上の事故だった。さらに80歳以上が138人で4割近くを占める。
男女別では、男性302人、女性48人で8割以上が男性だった。
都道府県別では、北海道の20人が最多。次いで、鹿児島18人、千葉16人、島根15人、熊本14人と続く。事故がゼロだったのは11府県(埼玉、神奈川、石川、福井、京都、大阪、奈良、和歌山、徳島、香川、愛媛)。
事故区分別では、農機作業によるものが256人と全体の7割超だった。次いで農業用施設作業が19人、機械・施設以外の作業が75人だった。
農機作業256人の機種別内訳は、乗用型トラクター106人、歩行型トラクター、農用運搬車がともに40人、自脱型コンバイン17人、などとなっている。乗用型トラクターでもっとも多い事故原因は、機械の転落・転倒が72人で最多。歩行型トラクターでは挟まれが22人で最多となっている。
◆トラクターの安全性向上
農水省では、事故者数が減少していることについて、「農作業安全運動の取り組みが一定の効果をあげたのではないか」と見ているが、その一方で、「減ったとはいえ、まだまだ他産業に比べて死亡者数の割合は多い。これが他産業と同程度にまで減り、“農業は安全”というイメージが一般的に浸透するまで、引き続き運動を強化していきたい」(生産局農産部技術普及課)としている。
また、もっとも事故数が多いトラクターについては、「昨年、農研機構生研センターが開発した片ブレーキの防止装置が、26年度から実装される。さらなる事故減少に効果をあげるだろう」と期待している。
今後も、こうした農機の安全性向上などの技術開発と、農作業安全運動などの普及・啓発の両側面での取り組みをすすめ、「個々の農家にまで、安全作業の技術や意識が行き届くよう、引き続き活動していきたい」としている。
(関連記事)
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