窒素肥料値下げ、硫酸加里値上げ 全農春肥価格2014年11月4日
JA全農は平成26肥料年度春肥の主要価格を決めた。
主要品目の26秋肥対比の価格変動率は下表の通り。
輸入尿素は国際市況を最大限に反映することで値下げとし、これを受けて国内窒素質肥料もほとんどの品目で値下げとなった。
りん酸質肥料と加里質肥料は、国際市況の上昇傾向を受けて原料が値上がりしているなかで「最大限の価格抑制をはかった」が、硫酸加里は世界的需給ひっ迫による国際市況の上昇から大幅な値上げとなっている。一方、珪酸加里は「原料が値上がりしているものの、需要の維持・喚起を図るために、値下げ」をしたと全農は説明している。
複合肥料については、重油・電力・包装資材費・運賃などの製造諸経費の値上がり要因は企業努力で吸収することを全農がメーカに求め、据え置きで決着したが、りん酸質、加里質、有機質原料の値上がりから、値上げとなった。
複合肥料のうち主に水稲用追肥に使われるNK化成については、加里の値上げを窒素の値下げが抑える形となり、値下げとなった。
なお、表の右欄に参考データとして26秋肥の25春肥対比の変動率を示した。
また、全農によれば、高度化成(一般)の26春肥の26秋肥対比変動率は+0.8%だが、25春肥対比で計算すると▲2.1%だという。
全農としては、
1.りん安については、全農が出資した瓮福紫金(中国)からの輸入の拡大をすすめ、原料安定確保と調達コストの抑制につとめる。有機質原料については、インドから輸入する安価なひまし油粕を活用する。
2.土壌診断に基づいた適正施肥の強化。低コスト肥料、省力施肥肥料など施肥コスト抑制銘柄の推進強化。
さらに低コスト栽培技術である「鉄コーティング水稲直播」の普及
などの取り組みを引続き強化していくことにしている。
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