光と音で鳥獣による農作物被害を防止 北海道日立システムズ・太田精器2015年5月12日
(株)北海道日立システムズと(株)太田精器は、専用装置を使い点滅発光と威嚇音により、エゾシカやヒグマなどの鳥獣を農地から遠ざけ、農作物を守る「新鳥獣害対策ソリューション」の販売を、5月11日より開始した。
近年、北海道ではエゾシカなど野生動物による農林業の被害が拡大しており、2013年度のエゾシカによる被害額は60億円に上るなど、大きな社会問題になっている。
被害を防ぐため、電気牧柵を設置するのが一般的だが、設置や張り直しに手間がかかるほか、飛び越えられたり、くぐり抜けられたりするという問題があった。また、単純な威嚇装置ではエゾシカが慣れてしまい、効果が薄くなるという現実もある。
北海道日立システムズは、道内の企業や自治体向けに、幅広いITサービスを提供している企業だが、新たな取り組みとして、北海道で大きな社会問題となっている野生動物による農作物被害を軽減したいと考えていた。
一方、太田精器は、野生動物による農作物被害を軽減するため、LED鳥獣忌避装置「モンスタービーム」を開発し2011年から販売してきた。この装置は不規則に点滅する赤、青、黄、白4色のLED照明と、猛獣の咆吼や銃声などの威嚇音を不規則に組み合わせて鳥獣を追い払う装置だ。
「モンスタービーム」は、エゾシカの研究をしている東京農業大学の相馬幸作教授の協力を得て、同大オホーツクキャンパス内で実証実験を行い、長期間にわたってエゾシカの被害を防げることを確認していた。
太田精器は北海道全域で、この装置を普及・販売し、アフターサービスを提供していくには体制が不十分であったため、ビジネスパートナーとの協業を模索していた。
そこで北海道日立システムズと太田精器が協業し、両社の製品・サービスの強みを組み合わせ、「新鳥獣害対策ソリューション」を開発、販売を開始した。
このソリューションは、太田精器の「モンスタービーム」に、監視カメラや録画装置、通信装置などを組み合わせたものだ。
光と音でエゾシカなどの鳥獣を農地から遠ざけ、被害を防ぐだけでなく、農地に近づいた野生動物の様子を録画し、メールでPCやスマートフォンに通知する機能がある。自宅に居ながら農地状況を映像で監視できることから、簡易な防犯装置としても活用できる。
また「新鳥獣害対策ソリューション」は、マイクロ波センサーを利用しているため、雨・砂・雪など野生動物以外の要因によって、装置が誤作動するリスクを大幅に低減している。
◎標準価格(税別)
○基本モデル:(モンスタービーム単体)60万円/台から。
○標準モデル:(モンスタービーム・マイクロ波センサー+カメラ)135万円/台から。
○拡張モデル:(標準モデル+録画機能)170万円/台から。
この製品に関する問い合わせは、(株)北海道日立システムズ TEL:011-281-7312、(株)太田精器 TEL:0125-65-2759まで。
(写真)設置された「モンスタービーム」
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