農機の安全対策・作業事故防止巡り 第23回農業資材審議会開催2015年8月31日
農林水産省は平成27年8月27日、農業機械の安全対策や農機作業事故防止の取組などを巡り、第23回農業資材審議会農業機械化分科会を開催した。
審議会では、次の検討資料が提出され、担当者が説明した。
(1)「今後の農業機械の安全対策について」(農水省技術普及課 松岡謙二生産資材対策室長説明)
(2)「農業機械の安全確保に向けて」((国研)生研センター提出資料 藤村博志企画部長説明)
(3)「農作業安全の取組について」((一社)日本農業機械工業会 大久保稔委員提出資料)
(4)「農業法人における安全対策の実態について」((公社)日本農業法人協会 高橋良行委員提出資料)
(5)「イオン農場と労働安全~安心して働ける農場づくり~」(イオンアグリ創造(株) 高橋寛委員提出資料)
(6)「農業機械士と農作業安全」(全国農業機械士協議会 伊藤一栄委員提出資料)
日本の農作業死亡事故は、農業就業人口が年々減少し、高齢農業者の割合が増加する中で、毎年ほぼ400件発生している。他産業との死亡事故発生件数を比較してみると、就業10万人あたりでは、全産業で1.6人、製造業で1.9人、建設業で6.9人だが、農業では14.6人と数字が大きく跳ね上がる。
農作業安全対策は、まさに喫緊の課題である。とりわけ農業機械作業事故防止対策が重要となる。平成25年の農作業死亡事故件数は350件だったが、うち農業機械作業に係わる事故は228件(65.1%)発生している。
機種別では、乗用型トラクターによる事故が最も多く、平成25年では111件、次いで歩行型トラクターが21件、農用運搬車が33件と上位を占める。
農作業死亡事故をみると、65歳以上の高齢農業者の死亡事故が多いことが分かる。高齢就農者が多いという産業構造の問題がある。また、自動車には車検制度があるが農機には無いこと、ほ場の中では農機作業も無免許で出来ることなど、制度的な問題もある。農機メーカーも、作業の安全性向上のために機器の改善を図る必要がある。就農者も、作業安全に対する意識を徹底させねばならない。
農業資材審議会農業機械化分科会は、さまざまな重要課題を抱えているが、次回は9月末頃に開催される予定だ。
(写真)第23回農業資材審議会を開催
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