農作業による死亡350件 平成26年の農作業死亡事故2016年5月9日
農水省は、全国の農作業に伴う死亡事故の発生実態およびその原因等を把握するために、厚労省「人口動態調査」に関わる死亡小票の中から、平成26年1月1日から12月31日までの農作業死亡事故について、都道府県職員が調査を行い、報告のあったものを取りまとめた。
それによると、平成26年に発生した農作業による死亡事故件数は350件で、前年と同数だった。
事故区分別では、「農業機械作業」が232件(66%)、「農業用施設作業」が24件(7%)、「それ以外」が94件(27%)、となっており、死亡事故件数に占める割合は例年と同じ傾向にある。(円グラフ参照)
年齢階層別にみると、65歳以上の高齢者の事故は、295件あり全体に占める割合は84.3%と例年より上昇している。なかでも80歳以上は145件で、41.4%を占めるとともに、昨年調査より25件増加している(折れ線&棒グラフ参照)。
農業機械の機種別事故発生件数は、「乗用型トラクター」が最も多く95件で死亡事故件数の27.1%となっている。次いで「農用運搬車(動力運搬車、農業用トラック等)」が32件(同9.1%)、「歩行型トラクター」30件(同8.6%)となっており、この3機種で死亡事故の44.9%となっている。
事故発生の原因としては、乗用型トラクターでは「機械の転落・転倒」が75件と当該機種の事故件数の78.9%を占めている。歩行型トラクターでは「挟まれ」が14件(同46.7%)ともっとも多く、次いで「機械の転落・転倒」7件、「回転部等への巻き込まれ」6件となっている。農用運搬車では「機械の転落・転倒」が最も多く15件(同46.9%)、自脱型コンバインでも「機械の転落・転倒」が7件(同70.0%)ともっとも多かった。
施設の事故でもっとも多かったのは、作業車の屋根等、高所からの「墜落、転落」で11件(施設事故の45.8%)だった。
それ以外の事故でもっとも多かったのは「稲わら焼却作業中等の火傷」で27件、次いで「熱中症」19件となっている。
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