高度化成価格10.4%値下げ 28秋肥価格決定 JA全農2016年5月31日
JA全農は、平成28肥料年度秋肥(6月から)の主要品目価格を決定した。
主要品目の窒素質肥料、りん酸質肥料、加里質肥料についてはいずれも値下げで決定。複合肥料についても、原料代の値下がりに加えて製造諸経費を引下げ、価格は値下げとなっている。
高度化成(一般)が2桁値下げしたのは、年間2回の価格制にした22肥料年度秋肥以来だ。
今回の価格交渉の特徴としてJA全農は次のような点をあげている。
▽原油関係:原油市況は前期交渉時は1バレル40~50ドル台で推移していたが、昨秋以降大きく下落して年明けには、一時20ドル台まで低下した。現在は40ドル台で推移。これを反映して肥料メーカ各社は、重油、ナフサ価格の下落を受けた値下がり要因を価格に反映することを要求し値下げで決着した。
▽海外原料(ドルベース):海外原料は、工場が増え供給量が増えたが、景気の後退などから買い控え傾向になり、国際市況が下落していること。海上運賃も傭船市況と燃料費が大幅に値下がりし、いずれも現在の国際市況水準が今後も継続すると見通した。
▽外国為替:前期交渉時は1ドル120円前後で推移していたが、2月以降に急激な円高となり、現在は110円前後で推移している。
こうしたことから、原料価格は、国際市況と海上運賃の見通しに実勢為替レートを乗じて決定した。
◆全農の対応
JA全農としては、「農家手取りの最大化に向けた取組み」として、
▽肥効調整型肥料や鶏糞熱焼灰など国内地域資源活用銘柄の普及拡大、
▽土壌診断に基づく適正施肥の推進、
▽BB肥料の広域供給など、県域を越えた供給・購買体制の整備、
▽担い手ニーズに対応した肥料の満車直送、オーダーメイド肥料の提案、
などを通じて、多様な担い手ニーズへの対応につとめる。
また「環境変化を踏まえた新たな取組み」として、4月1日付で、本所肥料農薬部内に「事業改革推進室」および「肥料品質管理室」を設置し、農家手取り最大化と肥料の品質管理強化に取り組んでいくことにしている。
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