制服は買い取りやめレンタルへ 管理業務の効率化、管理・運用が重要に JA香川県2016年10月17日
最近、多くの企業や組織では、クルマやオフィスのコピー機などをより安価に、より便利に利用するため「買う」のではなく、「レンタル」することが当然のようになっている。オフィスの制服も例外ではない。JA香川県では平成24年、他のJAや企業の導入事例に学び、それまでの一括購入をやめ、制服のレンタルサービスを導入した。このことで管理業務の軽減や、コスト削減に大きな成果を上げているという。さらに最近では、制服をレンタルするだけではなく、それに付随するさまざまな「管理・運用」へのニーズが高まっており、それにいかに的確に応えるかということも問われているという。そうした制服レンタルの世界を取材した。
JA香川県は平成12年、当時の県下43JAが合併して誕生。その後、未合併農協も合併し、25年4月に完全に一県一JAとなった。
オフィスで使う女性職員の制服は、12年の合併当初は旧JA単位でバラバラだったが、18年に制服を統一した。当時は業者からの買い取りで運用していたが、約1700人の着用者がおり、退職や人員補充など職員の入れ替わりがあるたびに、同じサイズのものがないか倉庫の中から探したり、在庫がなければ追加で発注をしたり、制服管理業務だけでも多くの時間と人手を必要としていた。
そこで、JA香川県は制服のレンタルシステムに注目。四国の他企業がすでに導入していたほか、全国のJAグループでも多数の導入事例があることを知り、制服レンタルの先駆けでもある㈱サンペックスイスト(東京都中央区)のサービスを、同社の販売店であるアーバンユニフォーム(株)(大阪市)を通じて導入した。
◆ 確実なコスト削減
レンタルの大きなメリットは管理業務を削減できることだけではなく、制服管理担当者が他の業務を担当する余裕が生まれるという効果もある。
管理業務そのものも、従来は、どのような職員にも対応できるよう、標準的なサイズに加え、さまざまなサイズの制服を常に準備をしておく必要があり、その分、余分な在庫を抱えなくてはならず、そのスペースも必要だった。しかし、レンタルであればサイズを問わず、必要なときに必要なサイズのものを追加で発注すれば済むため、余分な在庫は必要なくなった。
また、レンタルはコスト的なメリットも大きい。例えば、制服の消耗度やデザイン変更などのタイミングを考えれば、通常一回の制服の使用期間は約3年。3年間の月額レンタル料を合算すると、買い取りやリースなどの初期費用と同程度になるためメリットは少ないと思われがちだが、実際には、買い取りやリースの場合、サイズの変更や消耗品の交換、管理費、発送費など追加の費用がその都度かかるため、全体のコストは未知数になる。
しかし、レンタルは、そうした交換や管理コストなども月額サービス料に含まれているため、イレギュラーな費用が発生せず、的確な予算を把握することができることや、余剰購買を防ぎトータルコストを抑制できるのも大きな魅力だ。
JA香川県で制服の買い替えや更新をした場合、一度本店で取りまとめて100以上ある支所へ配布するなど大変な時間と手間がかかっていたが、レンタル料には在庫管理費や個別支所への発送など、業務の一切をアウトソーシングする費用も含まれているので、こうした業務もすべて不要になった。
◆ 万全なコンプラ対策
コスト面だけではなく、最近、制服のレンタルで注目されているのは、管理・運用面つまりコンプライアンスの問題だ。特に顧客との信用が厚い企業・組織では、制服が盗難にあい、悪用されたりすると、企業・組織のイメージが損なわれ、社会的信用を失いかねないからだ。こうしたセキュリティ問題に対して、サンペックスイスト社では、誰が・いつ・どこで制服を着用したかなどが把握できるICチップをオプションとして取り付けた制服のレンタルも始めている。ある大手都市銀行では、制服とともにスカーフにもこのICチップを取り付けて使用している。
制服のレンタルは、業務の効率化やコスト面だけではなく、コンプライアンスやセキュリティに対応した管理・運用面からも改めて見直されてきている。それがこれからの時代のあり方でもあるのだろう。
【サンペックスイストの制服レンタルサービス】
(株)サンペックスイストは平成12年にレンタルシステムを始めた。15年には、制服レンタルサービスを手がける企業のなかでも先駆け的に事務服のレンタルをスタート。現在では、多種多様な業界で全国約500社以上のレンタル実績を持ち、そのリピート率は実に90%以上だという。また、JAグループではJA香川県のほか、九州地区でも地元販売店を通じてJA鹿児島きもつき、JAかごしま中央、JAグリーン鹿児島など多数のJAが導入している。
また、運用・管理事業では、長年培ったレンタル業務のノウハウを活かし日本航空(JAL)や三菱東京UFJ銀行などの大手企業などとの取り組みも多い。
詳しくは、㈱サンペックスイスト(東京都中央区日本橋大伝馬町11-8、フリーダイヤル:0120-99-7712(受付時間:平日9時30分~17時))まで。
(写真)事務服カタログ「GROW(グロウ)」
重要な記事
最新の記事
-
震災から1年 能登復旧遅れ 倒壊家屋なお 地域喪失 他人事でなく(2) ジャーナリスト・青木理氏【2025国際協同組合年 どうする・この国の進路】2025年1月8日
-
330万羽が殺処分対象 鳥インフルエンザ 衛生管理徹底を2025年1月8日
-
農政 大転換の年へ 江藤農相2025年1月8日
-
「協同組合基本法」制定めざしシンポジウム 1月28日 JCA2025年1月8日
-
価格転嫁拒否は「違法」 公取委が日本郵便を指導 運転手の待遇改善、物流維持に不可欠2025年1月8日
-
おもしろうてやがて悲しき「楽しい日本」【小松泰信・地方の眼力】2025年1月8日
-
米を民間輸入 卸「関税払ってもペイする」 背景に深刻な不足感2025年1月8日
-
年頭あいさつ2025 各団体まとめ2025年1月8日
-
鳥インフル 米カンザス州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月8日
-
売り切れ必至の人気商品「"のむ"りんご」 JAタウン「おらほの逸品館」で販売開始 JA全農あきた2025年1月8日
-
農林中金 農業経営の情報プラットフォーム「AgriweB」を子会社2025年1月8日
-
適正な価格形成に向け消費者に情報発信 全農賀詞交換会2025年1月8日
-
栃木米アンバサダー U字工事が登場「とちぎの星」PRイベント開催 JA全農とちぎ2025年1月8日
-
「冬土用未の日」で新たなマーケット創出へ 企業・団体と連携 JA熊本経済連2025年1月8日
-
100周年記念キャンペーンを開催 井関農機2025年1月8日
-
食料自給率向上へ 新ブランド『和小麦』立ち上げ Pasco2025年1月8日
-
茨城県桜川市発「霞ヶ浦キャビア」で地方創生と農業の未来を拓く挑戦 クラファン開始2025年1月8日
-
「第21回都市農業シンポジウム」開催 東京都日野市2025年1月8日
-
「AJINOMOTO オリーブオイル」シリーズ400g瓶 容器を軽量化 JOYL2025年1月8日
-
特産品「蔵出しみかん」新パッケージ『冬眠みかん』で市場拡大 和歌山県海南市2025年1月8日