微生物を燃料にセンサーを駆動 水田に設置できる新バイオ電池2019年10月1日
農研機構は旭化成エレクトロニクスと共同で、水田や池に設置できる安価で実用的な微生物燃料電池とその電力を効率的に回収するエナジーハーベスタを開発した。この2つを組み合わせた微生物燃料電池(MFC)システムは、気温やCO2濃度などを測定するセンサーの駆動に利用することができる。
データ駆動型のスマート農業では、気温や湿度、CO2濃度などの環境因子を多くの地点で測定する際に、測定装置を駆動させる電源の確保が問題になる。その電源として注目されているのがバイオ電池のMFCで、土壌や池などに含まれている有機物を燃料として発電する。
農研機構が新たに開発したMFCは、ステンレス鋼の表面を炎で酸化した電極を負極に使うことで、従来より1/10以下のコストに抑えた。水田や池など水がある環境で利用でき、長期の使用に耐える。
MFCでセンサーを駆動するには、電気エネルギーを効率的に回収して出力電圧を上昇させるエナジーハーベスタが必要。従来型の回収効率は低く、実用化の障害になっていたことから、旭化成エレクトロニクスは、新たに超低消費電力型エナジーハーベスタを開発。従来型では回収できなかった低出力のMFC(2 μW)からでも電力を回収できることを実証した。
また、炎酸化ステンレス鋼電極を用いたMFCと、新規エナジーハーベスタを組み合わせたシステムにより、CO2センサーを駆動させることに初めて成功。CO2センサーは温度センサーなどと比較して大きな電力を消費するため、これまでMFC電源によりCO2を測定できなかった。
同システムは水田や池などで、MFCを唯一の電源とした自立駆動型センサーの開発に利用でき、スマート農業や地球温暖化の解析に向けた環境モニタリングへの貢献が期待できる。
エナジーハーベスタのICは、2020年度中の市販化を予定。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日
-
過去最大級60ブース出展「北海道新規就農フェア」8月3日に開催2024年7月17日
-
温室効果ガスを排出しないコンパクトな水素燃料電池発電システムを商品化 ヤンマーES2024年7月17日
-
さいたま市内の飲食店で「まんてん会津夏野菜フェア」開催2024年7月17日
-
AI活用畜産DX 肥育牛対象の耳標型「イヤタグセンサー」提供開始 デザミス2024年7月17日
-
「第8回高校生科学教育大賞」最優秀賞は京都府立桂高校 バイテク情報普及会2024年7月17日
-
「広島県産はっさく&レモンサワー」23日にリニューアル発売 JA全農2024年7月17日
-
「長野県産スイカフェア」開催 銀座の直営飲食店舗で18日から JA全農2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2024年7月16日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月16日
-
30年目を迎えたパルシステムの予約登録米【熊野孝文・米マーケット情報】2024年7月16日
-
JA全農、ジェトロ、JFOODOが連携協定 日本産農畜産物の輸出拡大を推進2024年7月16日