発展途上国では農業機械化が低出力エンジントラクターを後押し 世界の農業用トラクター市場調査2020年4月16日
グローバルインフォメーション(神奈川県川崎市)は4月16日、市場調査レポート「世界の農業用トラクター市場 - 成長、動向、および予測」 (発行:Mordor Intelligence) を発売した。
◆市場概況
同レポートによると、農業用トラクター市場は、予測期間中、年平均成長率(CAGR)は5.8%で成長すると予測している。
・中国とインドは、国外販売数で市場を牽引。中国では、農業活動の約60%が機械化されており、中国政府は2018年のMade in China 2025キャンペーンの対象に農業機械を含めた。同プログラムは、中国における農業機械の国内生産化を後押しし、中国でのトラクターの売上増加をめざすもの。
また、インド国内における農場の機械化レベルは、2017年に40%~45%だった。農機具の普及は遅く、小規模農家のうち、ほぼ80%が所有する土地は5ヘクタール未満。機械化レベルを上げるために、インド政府はBalanced Farm Mechanizationを推進している。これは、トラクター市場を強化すると予想されるさまざまな機器に助成金を提供し、代理店を通じた一括購入をサポートすることを目的としている。
・農業労働コストは、単純な需給経済を考慮して、農業に従事する国の総人口の割合と直接的な関係があり、農業用トラクター市場に影響を与えている。
◆主な市場動向
馬力が40HP未満のトラクターの市場規模は、2025年までに234億1000万米ドルに達すると推定。このタイプのトラクターは、エンジンが1500cc以下で占有するスペースが少なく、より柔軟に使用できる。
カスタマイズが容易で、テストがしやすく、結果として、製造業者はより高出力なものへ移行する前に、新しいコンポーネントやテクノロジーを試すことが可能。これらのトラクターはコンパクトで、質量は4000ポンド未満、アタッチメントの実行に40PTO HP未満を使用する。
高生産性、低コスト、およびユーザーフレンドリーなコンパクトトラクターは、学校、公園、造園家、墓地、および趣味で農業を楽しむ人々によって使用されている。
低馬力のトラクターは、河川流域などの柔らかい土壌条件で機能。20HP未満のトラクターは、主にインドの園芸に使用されている。
開発途上国では、農家の可処分所得が低く、人件費が高いため、低出力トラクターの需要が高くなっている。農地のサイズが小さいため、農家は小型でカスタマイズされたトラクターを好む。さらに、小型トラクターによる燃料消費量の削減は、小規模農家に役立つ。
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