【スマート農業】佐渡島「おけさ柿」栽培で遠隔指導の実証実験開始 NTTドコモ2020年9月10日
NTTドコモは、新潟県やJAファーム佐渡と共同で、眼鏡型ウェアラブル端末「スマートグラス(AceReal One)」を活用して、佐渡島特産「おけさ柿」の栽培を技術指導員が遠隔から指導する実証実験を9月8日から新潟県佐渡島で開始。あわせて、経験の浅い農業従事者の早期の技術取得をめざし、熟練者の技を3D映像で記録する実証実験も実施する。
「AceReal One」の活用と3D動画撮影による技術伝承を組み合わせた農業支援は、全国で初の取り組み。高齢化により農業の担い手が減少し、後継者問題を抱える佐渡島では、新規参入者や臨時の農業従事者に栽培技術を伝えていくことが重要課題となっている。この取り組みにより栽培技術を「見える化」し、経験や勘に頼らない農業をめざす。
同実証実験は、農林水産省の「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」の公募で採択され、新潟県を代表機関とするコンソーシアムのプロジェクト内で実施。柿生産においてスマート農業技術導入による、農作業の省力化および経営改善の効果実証を行う。
農業遠隔指導の実証実験を通じて、遠隔指導による新規参入者などの栽培技術の実践支援および熟練者の作業を「見える化」することで、高齢化により担い手が減少する農業の後継者問題を含む地域の課題解決をめざす。実験期間は、2022年3月までを予定。
<実証実験内容>
実証実験のイメージ
(1)スマートグラスを活用した遠隔指導による実践支援
・せん定などの作業時に、ほ場にいる現地作業員がカメラ、マイク、スピーカー内蔵のスマートグラスを装着し、送信した映像を離れた場所にいる熟練者(技術指導員)が見ながら音声で指示をする。指示内容は、現地作業員のスマートグラスに映し出してせん定要否などの指導を行う。
・スマートグラスには、作業手順を表示できる機能も備えており、両手が空いた状態で使用できるため、ほ場での作業の妨げにならず、作業の「見える化」と作業時間短縮の効果が期待できる。
3D撮影動画イメージ
(2)3D動画撮影によるマニュアル作成
・熟練者の果樹のせん定作業などの様子を3Dカメラで撮影し、熟練の技を動画マニュアルとして記録する。3D動画は、VRゴーグルで閲覧することで平面では表現・体現されない奥行きが体感でき、新規参入者の技術習熟の早期化を支援する。
動画の編集やディレクションは、動画配信やシステム開発による農業支援を行う株式会社AGRI SMILEが行うことで、より農業従事者の視点に沿った動画マニュアルとなる。
<主な実証実験メンバーと役割>
▽新潟県 農林水産部農産園芸課...実証プロジェクト総括、実証事業全体のとりまとめ、進行管理
▽新潟県 農業総合研究所園芸研究センター...実証リーダー、作業手順のチェックリスト作成、遠隔指導
▽新潟県 佐渡地域振興局農林水産振興部...共同実証機関、スマートグラス投影資料の収集・提供、遠隔指導・支援実証
▽NTTドコモ...共同実証機関、スマートグラスの提供、3D動画撮影によるマニュアル作成
▽JAファーム佐渡...生産者、実証フィールド(ほ場)の提供、作業実施
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