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農業のリハビリ医療への有効性検証へ連携協定 タキイ種苗など三者2020年11月10日

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京都大原記念病院グループ、京都府立医科大学、タキイ種苗の三者は11月1日、「グリーン・ファーム・リハビリテーションに関する連携協定書」を締結した。

療法士(写真左)付き添いのもと、サツマイモの収穫に取り組む患者(写真左から2人目)療法士(写真左)付き添いのもと、サツマイモの収穫に取り組む患者(写真左から2人目)

同協定は、患者の社会復帰に向けた回復期リハビリテーションを担う同院で、約2000平方メートルの農園をフィールドに、農業をリハビリテーションプログラムの一環として取り組む「グリーン・ファーム・リハビリテーション(GFR)」の有効性を検証するにあたり、三者が相互に協力し、成果を共有していく。

GFRは、リハビリテーション訓練プログラムの一環として2015年から活動を本格化。同院敷地内の農園で農地に関わる全ての工程をリハビリテーションに応用して取り組み、リハビリテーション医療の有効なツールとなることが期待されている。また、農作業の指導には、農園のデザインや品目・品種の選定、栽培管理全般をタキイ種苗が指導している。

これまで府立医大の指導のもとでGFRによる身体的・心理的な効果の検討に取り組み、脳卒中患者に対し、週4回を1か月間実施。前頭葉機能に改善を認めた事例や、運動麻痺が軽度で歩行可能な患者に、週34回1か月間実施し、平衡機能で良い結果が見られた事例などを報告してきた。しかし、いずれも1日最大3時間実施する訓練の一環として行うなかの傾向であり、GFRのみの効果と捉えることができていなかった。患者の障害状況、天気や季節、農作業内容と3つの変動する要素が関与するため、短期間でのデータ集積は困難。今回の協定締結を機に中長期的な視点で取り組みを重ね、農作業が、リハビリテーション医療のツールとして有効であるという科学的エビデンスを示すことをめざす。また、長期の見通しとして、栽培した機能性野菜の継続した喫食による回復効果への測定も期待している。

農林水産省の「農業と健康についてのエビデンス把握手法等調査報告書(2012)」によると農作業と健康に関する研究はいくつかあるが、客観的にエビデンスを検証しようとする研究は少ないとされており、同協定の締結により、三者の資源や機能の活用を図り、科学的エビデンスを示すことをめざす。

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