2025年に1130億米ドル到達を予測 農業機械の市場規模調査2020年11月16日
(株)グローバルインフォメーションは11月13日、市場調査レポート「農業機械の世界市場 - 2025年までの予測:耕起・耕作、播種・植付」 (MarketsandMarkets) を発売した。
農業機械の市場規模は、2020年の922億米ドルから2025年までに1130億米ドルに達し、CAGR(年平均成長率)は4.2%で成長すると予測。市場の成長は、機械化を推進するためのローン免除・融資・補助融資の形で、農業従事者に対する政府の支援により牽引されている。
2020年の農業機械市場は、新型コロナウイルスの影響や農業従事者の高額な高性能農機具購入への消極的な姿勢などから、若干の落ち込みが予想。しかし、製造施設の再開、国際的な国境の開放、赤道地域の良好なモンスーン条件、政府による農業支援などにより、年末までに勢いが回復する可能性がある。
世界各国の政府は、農業部門の成長を後押しするとともに、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響に取り組むためにいくつかの対策を講じており、米国政府は、生産者へ直接支払う160億米ドルを含む190億米ドルの農業従事者向け救済プログラムを発表した。
推進要因:農業ローンの免除、クレジットファイナンスによる政府の支援
農業ローン免除制度の実施は、農業従事者が農機具を購入することを奨励。政府は農家をローンから解放し、農業の機械化を奨励するために世界中の地域でさまざまな計画を開始した。例えば、米国ファームサービス庁は、銀行、ファームクレジットシステム機関、またはその他の貸し手から商業クレジットを取得できない家族規模の農家に、保証付きの直接的な農場所有権と経営ローンを提供している。金融庁の融資は、土地、家畜、設備、飼料、種子、および消耗品の購入にも使用でき、毎年、政府は農業部門を推進するためにさまざまな補助金に多額の資金を費やしている。トラクター、コンバイン、ハーベスターなどの農機具は高価であるため、限られた資金源でこれらの機器を購入することは農業従事者にとって困難であるため、政府は、補助金やクレジットの形で支援を増やした。
制約要因:新興国における機器の高コスト化
研究開発の継続的な取り組みにより、複数の作業に対応できる先進的な製品が開発されている。先端機械には、特殊な製造・組立工程を必要とする複雑なメカトロニクスシステムが含まれている。これらの機器の設計、生産、流通には莫大な投資が必要で、それが農家に提供される機械のコストに反映されている。小規模農家が多額の投資を行えないことが、発展途上国における農機具の普及率の低さの一因で、アジア・オセアニアなどの新興国の農家は、高価な機械への投資に消極的。しかし、北米や欧州では、労働力の確保ができず、農作業費が高いため、農機具の採用が進んでいる。
市場機会:精密農業
農業業界は、人口増加に対応するために農産物を生産しなければならないというプレッシャーにさらされ、農家は事業の成長を促進するために効率性と生産性を重視する必要に迫られている。精密農業は、限られた資源でより多くの生産を望む農家の間で一般的になりつつある。この農業技術は、地域横断的な食糧需要の増大という問題に対して効果的に取り組むことができる。また、農家は作業効率を向上させて生産量を増やすことができ、農産物の供給と消費のギャップを最小限に抑えることができる。精密農業技術は、水、種子、土地、肥料、農機具などの資源の効率的な利用を促進し、その結果、全体的な収量と品質を向上させることから、精密農業の需要は、農家に生産性の向上を提供するため、OEMにとっての市場機会となっている。
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