人工光型植物工場向け大規模栽培設備でノルウェーONNA社と契約 MIRAI2021年1月12日
MIRAI(株)は2020年12月、ノルウェーのONNA Greens ASと完全閉鎖型人工光型植物工場の栽培設備に関する装置売買契約を締結した。
MIRAIの柏の葉工場
建設予定地はノルウェーの首都オスロ市近郊で、12月から2022年1月頃の生産を予定。栽培品目は、ハーブ類、レタス類などで1日あたり560キロ(リーフ系レタス換算)で、MIRAIは、設備を販売するとともに、工場運営支援、モニタリングシステムによる栽培技術の支援を行う。
契約にあたり、両社は約3年半前から検討を開始。ノルウェーでは、サラダ需要の高まりによる葉物需要増に対し、自国の露地生産は通年供給できる体制になく輸入偏重となっていたことから、その状況を打開するため、人工光型植物工場野菜の生産に取り組んできた。
ONNA社は各国の設備業者、生産者と商談を重ね、その結果として、生産者として栽培、工場運営、販売、商品開発を一気通貫して取り組むMIRAIを選定。約1年半前から設計、運営体制について検討してきた。今回を第1期とし、第2期(増築)は来年中(2022年)の計画。また、そのほかの北欧諸国でのONNA社による生産者としての事業展開について、MIRAIもパートナー関係をより強固に取り組んでいく。
商品開発では、ONNA社が現地リサーチした情報や、MIRAIが過去に各国で現地調査した需要を鑑み、サラダ需要に耐えうる品質として、しっかりした「食感」と「葉の大きさ」そして品目別に求められる「味」を意識することを商品開発の軸に据えた。
MIRAIは、試験的に進めてきた1株200グラム以上と、品目によっては250グラム以上の葉物栽培のため、千葉県の同社柏の葉工場の全栽培室の半分を完全に改造し、2020年12月から量産化に成功。現在サラダ向けを中心に販売している。この量産商品を再現するため、同等の栽培設備仕様をノルウェーに輸出し、現地に設置、組立後、年末までに生産開始をめざす。
また、改造工事では、従来1株60~80グラムが主流の生産工場と比べ、1日の総生産量を上げながら、人件費、材料・消耗品費、水使用量などのコストは30%以上削減に成功。人件費の高い北欧で製造コストの削減活動は必須で、商品開発と連動できた成果は大きい。さらに、電気使用量でも従来の使用量を抑えながら、水温制御、空間温度・湿度制御、栽培棚内の気流づくりをしながら、商品の品質を高める工夫をしている。
今後は、北欧でONNA社とノルウェーをはじめ、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドでの需要をマーケティングしながら、市場の求める商品開発を実施。植物工場野菜が拡がるよう活動していく。
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