無人走行車両「UGV」で社会課題の解決に挑戦 ヤマハ発動機2021年1月26日
農作業の自動化と省力化をめざし、汎用性の高い無人走行車両の開発に取り組むヤマハ発動機は、長野県のブドウ畑で、UGV(無人走行車両)と多関節ロボットの組み合わせによるブドウの自動収穫、自動運搬の試験を実施。モビリティとロボティクスを高度に融合した世界的にユニークな事業に挑戦している。
同社は、農作業の自動化と省力化をめざして汎用性の高い無人走行車両の開発に取り組んでいる。畑のような半自然環境に無人のロボティクス技術を導入するには、モビリティとロボティクスの技術を高度に融合させることが不可欠だが、同社FSR開発部の西村啓二さんは「当社はその二つを事業として展開している点が世界的にも珍しいユニークな存在。この領域での社会課題解決に貢献できると考えています」と話す。
日本をはじめ先進各国では、農業における労働力不足がますます深刻化している。西村さんは「現在のシステムではGPSを使って作業点まで移動するが、AI技術を用いて自律的な走行を可能にすれば、農業だけでなく、林業や漁業などさらに幅広い領域で人々の生活の基盤となる産業に貢献できる」と説明する。
汎用性の高い農業用UGVの開発に取り組む中、同社は現在、ブドウの収穫と運搬に注力。その理由は、他の農作物より難易度の高い技術が求められるからで、ブドウの位置や数を検出して収穫すべき房に近づくには、複雑に入り組んだ枝などの障害物を避ける技術なども必要となる。ディープラーニングを用いて課題を一つずつ解消しながら、将来的にはより幅広い用途での活用をめざしている。
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例えば、北海道のジャガイモ畑では、現在(株)農業情報設計社や生産者の池守農場と協力し、UGVによる野良イモ駆除の試験が進められている。野良イモは、前年の収穫期にこぼれた子イモが越冬して雑草化したもので、これを駆除するための作業が生産者にとって大きな労働負担となっている。そこで、同社開発チームは、屋内にいながら野良イモを駆除できるシステムをめざし、遠隔操作と自動運転の技術を組み合わせることで、省力化に直結するソリューションに取り組んでいる。西村さんは「今年は、ブドウ収穫UGVのプロトモデルをアメリカに送って、現地で開発を進める計画。同時にさまざまな専門性を持ったパートナーと出会うことで、開発を加速させたい」と話している。
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