農業用収穫ロボットのAGRIST、VCと地域金融機関など6社から資金調達2021年3月3日
農業用自動収穫ロボットの開発を行うAGRISTは、ベンチャーキャピタルのドーガン・ベータと宮崎太陽キャピタルがそれぞれ運営する投資事業組合、ENEOSイノベーションパートナーズならびに宮銀ベンチャーキャピタル、また、ジャフコグループとインキュベイトファンドがそれぞれ運営する投資事業組合を引受先とする第三者割当増資による資金調達を実施した。
吊り下げ式の収穫ロボット(世界各国へ特許申請中)
アグリストは「100年先も持続可能な農業を実現する」をビジョンに、2019年に設立された農業ロボットベンチャーで、2017年から継続している農家との勉強会で、収穫ロボットの必要性を聞き、"農家の声"から生まれた。同社は宮崎県新富町で、農業のビニールハウスの隣に開発拠点を置き、地方だからこその競争優位性を活かし、将来的に世界の農業課題の解決をおこなうグローバルベンチャーへの成長を目指している。
アグリストの収穫ロボットは、PCT国際特許と世界各国で特許出願中の"吊り下げ式"で、ワイヤーをつたってハウス内を移動。10アールあたり1台で年間収穫量の20%を収穫することで、農家の収益性を向上し、ロボットの提供は、1台あたり初期導入費150万円のレンタル形式を予定している。
同社は、国が実施している2020年度「スマート農業実証プロジェクト」を受託した共同事業体の1団体として参画。6人の農家と共に収穫ロボット6台を活用した稼働実証を開始している。また、JAグループの資源をスタートアップに提供し事業支援することを目的とした「JAアクセラレータープログラム 第2期(2020年開催)」にも選出。このネットワークを活かし、日本全国にある農作物の主要生産地と連携したロボット・サービス開発を行い、果菜類用収穫ロボットを社会実装することで、持続可能な農業と社会の実現に貢献する。
今後は、ピーマンの生産地として有名な茨城県神栖市でピーマン自動収穫ロボットの実証実験を開始。また、同社は埼玉県深谷市が主催する「DEEP VALLEY Agritech Award(ディープバレーアグリテックアワード)」で最優秀賞を受賞しており、深谷市できゅうり自動収穫ロボットの導入を予定している。この春には関東にオフィスを開設。年末までに合計25人のエンジニアを宮崎県と首都圏で採用を予定している。
アグリスト代表取締役の齋藤潤一氏は「将来的には、ロボットから収集したデータ等を活用して病害虫の早期発見サービス及びSaaSビジネスによる世界展開も視野にいれている。人口1万7000人の宮崎県新富町から、素晴らしいパートナーとともに世界の農業課題を解決するグローバルベンチャーに成長し、ビジョンである"100年先も続く持続可能な農業"を実現します」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(135)-改正食料・農業・農村基本法(21)-2025年3月29日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(52)【防除学習帖】第291回2025年3月29日
-
農薬の正しい使い方(25)【今さら聞けない営農情報】第291回2025年3月29日
-
【現地レポート】「共同利用施設」が支える地域農業とこの国の食料 JA秋田おばこ六郷CE(2)2025年3月28日
-
農協の組合員数1021万人 前年度比0.6%減 2023事業年度 農水省2025年3月28日
-
農業構造転換 別枠予算の確保を 自民党が決議2025年3月28日
-
(428)「春先は引越しの時期」?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月28日
-
大関と共同開発「ニッポンエール レモンにごり酒300ml瓶詰」新発売 JA全農2025年3月28日
-
愛媛県の林野火災被災者に共済金など早期支払い JA共済連2025年3月28日
-
県内最大級のねぎイベント! 「大分ねぎまつり2025」を開催 JA全農おおいた2025年3月28日
-
「好きがみつかるスポーツテスト」特設サイトをリニューアル 体力測定結果なしに診断 JA共済連2025年3月28日
-
毎月29日は「いい肉の日」限定セール開催 約360商品が特別価格 JAタウン2025年3月28日
-
粘り強く贈答品にも 天候によって形状が変わる「相模原のやまといも」 JA相模原市2025年3月28日
-
土浦れんこんカレー 県産れんこんと豚肉がゴロッと JA水郷つくば2025年3月28日
-
夏も冷涼な気候生かし 完熟ミニトマトで100%ジュース JA新いわて2025年3月28日
-
【中酪25年度事業計画】生乳需給変動対策に参加、離農加速受託戸数9600台も2025年3月28日
-
太陽光発電設備・蓄電池設備を活用 JA帯広大正で再エネ導入2025年3月28日
-
JA三井リース Frontier Innovations1号投資事業有限責任組合へ出資2025年3月28日
-
ウェブコンテンツ「社会のニーズに対応したソリューション」を公開 日本農薬2025年3月28日
-
【組織改定・人事異動】デンカ(4月1日付)2025年3月28日