屋内農業技術の市場規模 2026年に248億米ドルに到達予測2021年3月19日
(株)グローバルインフォメーションは3月18日、市場調査レポート「屋内農業技術の世界市場 (~2026年):栽培システム (水耕栽培・空中栽培・アクアポニックス・土壌ベース・ハイブリッド型)・設備タイプ・コンポーネント・作物タイプ (果物&野菜・ハーブ&マイクログリーン・花&観葉植物)・地域別」 (MarketsandMarkets) の販売を開始した。
同レポートは、屋内農業技術の市場規模は、2020年の145億米ドルから年平均成長率(CAGR)が9.4%で成長し、2026年には248億米ドルに達すると予測。穀物や食料の需要増に対応するために、精密農業や都市農業など高収量の農業技術が求められている。今後も、屋内農業は、高まる食料の安全保障面での懸念に対する解決策として注目される。
新型コロナウイルスが屋内農業技術市場に与える影響
新型コロナウイルスの影響が広がる中、多くの人が屋外の食べ物に対して疑問を持つようになった。健康と食の安全が重要視されるようになり、世界中の人々が家庭料理や自作・手作りの食事を好むようになっている。これにより、食品やホテル業界は危機に瀕しており、コロナ後に、都市型屋内農業システムの導入が急激に増加すると予想されている。
農業界は、パンデミック拡大の初期段階で課題に直面。農場での労働力が大幅に不足し、一部農家では季節作物の収穫の機会を逃し、農産物の価格下落や物流の混乱が発生した。また、多くの国では、食料品の輸入依存の高さに気づき、国内での生産を重視するようになった。
牽引要因:限られた土地面積での、高収量への需要
屋内農業の主な利点の一つは、従来の農法に比べて収穫量が多いこと。屋内農業で使われる閉鎖された施設は、農家にとって最適な栽培条件を作り出し、限られた土地面積の中で、種から収穫までの作物をより短い時間で育て、各サイクルで高い収量を得ることができる。米国農務省のデータによると2016年、温室での水耕栽培によるトマトの平均収穫量は1平方フィートあたり10.59ポンド。伝統的な栽培方法によるトマトの平均収穫量は1平方フィートあたり1.85ポンドだった。屋内農業では、高く層を重ねて栽培面積を増やすことで、全体の作物収穫量を増やすことができる。
室内栽培のスペースの問題は、限られたスペースでの栽培に適した作物の存在により解決でき、例えば、垂直農法では、土地を利用する必要性が100分の1に減らせる。また、水の浪費も従来の農業に比べて少なくなる。屋内農業では水を循環させて再利用するため、屋内農業と比較して、同じ作物を栽培するのに必要な水の量が平均95%少なくて済む。縦型ハウスで植物や作物を栽培すると、蒸散プロセスが発生するため、水を再利用することが可能になり、水の浪費を最小限に抑えることで、資源保護にも役立つ。
制約:高い初期投資
屋内農業設備の初期費用は、従来の農業に必要な投資に比べて高額で、主な原因は、都市部の土地のコストの高さにある。さらに、垂直農法でも温室でも、運営コストに占めるエネルギーの割合が高くなる。例えば、垂直農法では1日16時間、温室では冬場の1日9時間、植物に光を当てる必要がある。屋内農業に使用する装置や機器には、農家は高い初期投資を求められ、屋内農業技術市場の大きな阻害要因の一つとなっている。
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