2030年までにCO2排出量を25%削減 気候中立へロードマップ提示 BASF2021年4月5日
BASFは、クライメート・ニュートラル(気候中立)へのロードマップを提示。2050年までにCO2排出量実質ゼロ(ネット・ゼロ)の達成をめざすことを発表した。また、直近のCO2低排出技術やCO2フリー技術の開発の進展に基づき、2030年の中期温室効果ガス排出削減目標を大幅に引き上げ、世界全体の温室効果ガス排出量を2018年比で25%削減することをめざす。
ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンのフェアブント拠点(統合生産拠点)
この目標は、今後めざす成長と、中国南部に建設中の大規模なフェアブント拠点(統合生産拠点)を考慮した上での目標。今後の成長による効果を除くと、既存事業のCO2排出量を10年後までに半減させることになり、新たな気候目標を達成するため、同社は2025年までに最大10億ユーロを投資し、2030年までにさらに20億ユーロから30億ユーロを投資する。
2018年の同グループの全世界での排出量は、CO2換算で2190万トン。今回新たに掲げた2030年の排出目標は、1990年比で約60%の削減となり、欧州連合(EU)が目標に掲げているマイナス55%を上回る。
同社Dr.マーティン・ブルーダーミュラー会長は「新しい気候目標は、パリ協定に対するBASFの決意とコミットメントを明確に示している。気候変動は21世紀最大の課題。これに対応するため、プロセスや製品ポートフォリオを適応させなければならない」と話している。
化石燃料の使用を新技術で代替
2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするという長期的な移行の中核となるのが、天然ガスなどの化石燃料を再生可能エネルギー由来の電力に置き換える新技術の利用。完全に実現されるのは2030年以降で、それまでにもCO2排出削減を加速するため、既存の生産工場で、体系的に、プロセスの改善に継続的に取り組んでいる。さらに、自然エネルギー源への移行を進めており、風力発電施設への投資も計画している。
現在同社が開発している新技術の一つが、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの基礎化学品の製造に用いる電気加熱式スチームクラッカー。また、CO2フリーの水素製造を実現するために、商用化されている水電解法と、BASFが新規プロセス技術を開発したメタン熱分解法の2つのプロセスを並行して進めている。
エネルギー効率を向上させるもう一つの手段は、廃熱からCO2フリーの蒸気を生産するための電気ヒートポンプの利用。同社は、シーメンス・エナジーと協力してこの技術を徐々に産業規模に拡大し、工場全体の廃熱回収に利用することを目指している。
BASFは、こうしたクライメート・ニュートラルな製造プロセスへの転換により、今後10年間で、最大の生産拠点であるルートヴィッヒスハーフェンを含む主要拠点の電力需要が急増すると予測。2035年頃から、BASFグループ全体の電力需要は、現在の3倍以上になると見込んでいる。
重要な記事
最新の記事
-
日本人と餅【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第331回2025年3月7日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「コメ騒動」の原因と展望~再整理2025年3月7日
-
(425)世界の農業をめぐる大変化(過去60年)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月7日
-
「とやまGAP推進大会」に関係者約70人が参加 JA全農とやま2025年3月7日
-
新潟県産チューリップ出荷最盛期を前に「目合わせ会」 JA全農にいがた2025年3月7日
-
新潟空港で春の花と「越後姫」の紹介展示 JA全農にいがた、新潟市2025年3月7日
-
第1回ひるがの高原だいこん杯 だいこんを使った簡単レシピコンテスト JA全農岐阜2025年3月7日
-
【スマート農業の風】(12)ドローン散布とデータ農業2025年3月7日
-
小麦ブランの成分 免疫に働きかける新機能を発見 農研機構×日清製粉2025年3月7日
-
フードロス削減へ 乾燥野菜「野菜を食べる」シリーズ発売 農業総研×NTTアグリ2025年3月7日
-
外食市場調査1月度市場規模は3066億円2019年比94.6% コロナ禍以降で最も回復2025年3月7日
-
45年超の長期連用試験から畑地土壌炭素貯留効果を解明 国際農研2025年3月7日
-
日本赤十字社のプロジェクト「ACTION!防災・減災」に参加 コープみらい2025年3月7日
-
健康増進へ野菜摂取レベルなど競う企業対抗企画 タキイ種苗が優勝2025年3月7日
-
フルーツピークス横浜ポルタ店2周年記念 いちごの超豪華パフェや感謝価格のタルト登場2025年3月7日
-
EVトラックの最適充電マネジメントシステムサービスを提供開始 グリーンコープ生協くまもと2025年3月7日
-
「金芽米」活用で市職員の花粉症予防・改善にチャレンジ 大阪・泉大津市2025年3月7日
-
台湾へのイチゴ輸出を本格化 JAかみましき2025年3月7日
-
道の駅「明治の森・黒磯」で「手塚さんちの長ねぎドレッシング」新発売2025年3月7日
-
鳥インフル 米デラウェア州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年3月7日