一本ネギ「初夏扇2号」晩春・初夏どり用新品種の種子発売 サカタのタネ2021年4月21日
サカタのタネは、4月下旬から5月上旬でも花芽(ネギ坊主)が上がりにくく、高品質な青果を生産できる一本ネギ「初夏扇2号」の種子を営利生産者向けに発売。全国のJA、種苗店を通じて8月から販売する。
ネギ初夏扇2号
「初夏扇2号」は、晩春・初夏どり用の一本ネギで、最大の特長は花芽の上がりが非常に遅い極晩抽性品種である点。ネギは冬の低温に当たり、その後、日長変化や温度上昇などで花芽が上がる性質があるが、花芽が上がったネギは固くなり、出荷できなくなる。
4月下旬から5月上旬までは一般的な晩抽性品種でも抽苔時期にあたり、一本ネギにおいて最も生産が不安定な時期。一方、例年この時期はネギの価格が高騰するため、極晩抽性品種は生産者の収益の上で大きなメリットがある。「初夏扇2号」は、同社従来の一本ネギ品種で最も晩抽性のある「初夏扇」より、さらに57日程度遅く、高価格時期の安定生産が期待できる。
また、晩抽性品種としては、耐暑性と在圃性があることも特長。冬に生育する品種である春・初夏収穫用のネギは、温度上昇に伴い収穫期後半に伸び過ぎたり太くなり過ぎやすく、在圃性に課題があった。「初夏扇2号」は、晩抽性品種の中では暑さの中でもじっくり生育するため、締まりよく品質のよい一本ネギを生産できる。
さらに、葉身部(ネギの緑色の部分)が短いため倒れや葉折れが少なく土寄せ作業などが容易。また、皮をむきやすく出荷調整作業がしやすいことから作業性にも優れている。生産現場の労働力不足が問題となる中、作業性のよい品種は生産者にとって重要なポイントとなる。
「初夏扇2号」種子の希望小売価格は1dl入り袋1万1440円。ペレット種子6000粒入り袋は7755円。いずれも税込。3年後の販売目標は6000万円。
ネギ「初夏扇2号」作型図
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