植物活性剤「フジミン」果樹への活用事例を公開 国土防災技術2021年4月23日
国土防災技術(株)は、早期緑化資材として開発したフルボ酸を高濃度に含む植物活性剤「フジミン」の果樹への活用事例を公開した。
フルボ酸を高濃度に含有した植物活性剤「フジミン」
フジミンは、腐植物質のフルボ酸を高濃度に含有した植物活性剤で、土壌環境を改善する効果や植物の生育を促進する効果を発揮する。開発当初は法面緑化等の土木分野での活用が多く、その後、グラウンド緑化など造園分野に展開した。
ライムに「フジミン」を散布した結果。右が散布した樹木
早期緑化だけでなく、土壌に働きかけて植物の生育を促進するというフルボ酸の力や、有害なものを一切含んでいないという特徴は、農業分野でもニーズがあり、生育不良に悩む農家や収量向上をめざす農家などが活用する機会が多くなった。
パラグアイのライム農地では、農業技術が発展途上なこともあり、農地の管理不足等で土壌環境が悪化し、ライムの生育が悪くなっていた。そこで、フジミンを散布したところ、散布した所は散布していない所に比べ、高さや幅が広くなり枝付きが良くなったことで、結実数が増加。収穫量も増えた。
フルボ酸は、自然界で微量に作られる貴重な資源で、通常は腐植土壌に多く存在する。もともと森林や土壌の中に存在する有機酸の一つであるフルボ酸を含む土壌を1センチ形成するには100年かかるという。フルボ酸はミネラルを補給する役目を担っており、植物が必要とする肥料の交換能力を高め、効率よく肥料吸収を図る。光合成量を向上させるとともに、酷暑期の耐性を高める効果もある。
「フジミン」は、人工的な製造が難しいフルボ酸を国産の森林資源から人工的に精製した植物活性剤で、肥料や農薬ではない。自然界からフルボ酸を抽出するより純度が高く、安定した品質で量産化できるため従来のフルボ酸資材よりも安価で販売できるようになった。液体資材で、使用する際は500倍に希釈して土壌に散布する。
桃の栽培にフジミンを使用した事例では、年に13センチ程度しか枝が生長していない桃の根の範囲にフジミンを散布したところ、1年後には枝の生長量が30センチ以上、2年後には45センチ以上に成長。枝の生長量が増えたことで結実数が増え、収穫量が増加した。
また、肥料過多によって生育不良を起こし、収穫時期の遅延が懸念されていた桑茶栽培の農地でフジミンを散布したところ、土壌に蓄積した肥料成分の吸収が促進され、光合成が活性化。その結果、収穫時期に間に合った上、品質の良い葉が収穫できた。光合成量の基準としてSPAD値を測定したところ、散布前のSPAD値0.42が、散布後は0.72まで上昇。通常0.6が平均値であることから散布後に光合成が活性化されたことが分かった。
重要な記事
最新の記事
-
花業界の年末商戦は松市(まついち)からスタート【花づくりの現場から 宇田明】第48回2024年11月28日
-
ボトル小型化でGHG排出量3割削減 ゼロボードとの協業でCFP算定 バイエルクロップサイエンス2024年11月28日
-
リジェネラティブ農業を推進 25年に他社との共創プロジェクト バイエルクロップサイエンス2024年11月28日
-
続・どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第318回2024年11月28日
-
【TAC部門】優秀賞 一流の経営者に俺はなる JAしまね 大國満瑠氏2024年11月28日
-
【TAC部門】全農会長賞 「京おくら」産地化へ~ゼロからのスタート JA京都中央 佐藤聖也氏2024年11月28日
-
「古川モデル」子実トウモロコシから水田輪作へ JA古川、3年間の実証実験総括 農研機構東北農業研究センターの篠遠善哉主任研究員2024年11月28日
-
鳥インフル 米ノースダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月28日
-
毎週の各国との電話会議・閣僚会合の現地での反対運動【近藤康男・TPPから見える風景】2024年11月28日
-
三島伝統のたくあん漬けや大根料理を堪能「三嶋大根祭り」開催 JAふじ伊豆2024年11月28日
-
9年連続の就任 コリラックマ「とちぎのいちご大使」に任命 JA全農とちぎ2024年11月28日
-
「ちょっといい日に和牛を食べようキャンペーン」開催 JAタウン2024年11月28日
-
適用拡大情報 殺菌剤「日曹ファンタジスタ顆粒水和剤」 日本曹達2024年11月28日
-
農薬登録変更 殺菌剤「日曹ストロビーフロアブル」 日本曹達2024年11月28日
-
農業IoTの通信インフラ整備へ 自治体や土地改良区と連携 farmo2024年11月28日
-
山梨県産フルーツ活用「やまなしスイーツコンテスト2024」初開催 山梨県2024年11月28日
-
価格高騰中の長ねぎ カットされる青い部分を商品化で大ヒット Oisix2024年11月28日
-
「幻の卵屋さん」京都駅に初出店 日本たまごかけごはん研究所2024年11月28日
-
「うまいに、まっすぐ。新潟県フェア」開催 県産農林水産物の魅力を体験 新潟県2024年11月28日
-
【役員人事】朝日アグリア(12月1日付)2024年11月28日