パワーアシストスーツ市場 堅調に市場拡大が期待 矢野経済研究所2021年8月25日
株式会社矢野経済研究所は、国内パワーアシストスーツ市場を調査し、駆動タイプ別や機能別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。調査は4~7月、国内のパワーアシストスーツメーカや販売元、その研究開発に取り組む企業、関連団体、関係省庁などに対し同社専門研究員による面談と、電話ヒアリングなどにより行われた。
パワーアシストスーツの市場規模推移・予想
同調査によると、パワーアシストスーツ(PAS)の市場規模(メーカ出荷金額ベース)は2020年度、ほぼ横ばいで推移したが、2021年度は前年度比132.0%の22億4900万円を見込む。PAS市場は、2021年度になって新製品が市場に投入されることで、これまでとは異なる普及局面に突入しつつあることを予感させる状況にある。
作業支援の一つである上腕支持を目的とするPASは、Passiveタイプが中心。最近、動力源にスプリングを採用するタイプは新規参入もあり、PASの新たな用途(目的)として注目されている。参入企業数自体は決して多いとは言えないが、大手メーカが新規参入したことで、今までにない需要開拓の可能性も見え隠れしている。市場は低価格なPassiveタイプの製品が量産されることで、2021年度は数量ベースで拡大するとともに、金額ベースでも拡大に転じると見込まれる。
2020年度までのPAS市場は、量産化される低価格製品の数量ベースの伸長に連動し、堅調に拡大してきた。今後は、これまでの目新しさや物珍しさで導入するという段階は終わり、実用品として着実に定着し、普及していく見込み。PASメーカ各社は目先の出荷量を追い求めるよりも、ユーザがPASを使いこなし生活に定着させることに目を向け始めており、ユーザ目線に立った第二世代製品が増えることで、実用品としての普及という次のステージに移ることになると考えられる。
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