排水機場や排水路の水位 リアルタイムで予測するモデル開発 農研機構×応用技術2021年9月10日
農研機構と応用技術株式会社は、排水機場や排水路の水位をリアルタイムで 予測するモデルを開発。水利施設操作の支援と洪水被害・排水管理労力の軽減に役立つ。
水理モデルによる水路の水位の高さを予測
低平地の排水機場では、熟練管理者が減少傾向にある水利施設の管理・運用と近年増加傾向にある水害対策のために、持続的かつ効果的な操作管理を支援するシステムが求められている。そのために、管理対象地区内の排水機場の水位と排水路の水位について、それぞれを可視化できる高精度かつ高速な予測モデルを開発した。
前者はAIの一種で、観測データを学習することで排水機場地点の水位情報を高速で予想できるLSTM(Long Short-Term Memory)モデル。また、後者は物理現象の基礎式に基づき、排水路ネットワークの面的な水位情報を予測できる水理モデル。これらのモデルを支援システムの上で駆動させることで、リアルタイムで流域の洪水時等の水位を予測できる。
この可視化された情報に基づき、排水機場の効果的な操作管理が可能になる。例えば、施設管理者は、管理モニターに映し出される水位予測を見て、適切な排水ポンプの運転や、氾濫のおそれのある場所の予測などができ、水門等の水利施設の適切な管理操作が行える。これにより、洪水被害の軽減や排水管理にかかる労力の軽減が期待できる。現在、モデルを実装した支援システムを排水管理が実施される低平農地で実証試験中。
地域排水管理・減災情報システムにおける2つのモデル表示結果と活用方法
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