農業用アミノ酸市場 2030年に10億米ドル規模到達見込み2021年10月13日
グローバルインフォメーションは10月11日市場調査レポート「農業用アミノ酸市場:世界の業界分析・市場規模・シェア・成長・動向・予測 (2020~2030年)」(Transparency Market Research)の販売を開始した。
同レポートによると、農業用アミノ酸市場は、2030年には10億米ドルに達すると予測されている。農業分野での利用拡大に伴うアミノ酸需要の増加が、予測期間中の農業用アミノ酸市場の牽引役となることが見込まれており、アジア太平洋地域は、近い将来、世界の農業用アミノ酸市場の中で非常に有利な地域になると予測されている。
市場の主な推進要因と抑制要因
世界中の生産者は、バイオスティミュラントを混合することで、従来の殺菌剤や殺虫剤の効果を少ない使用量で維持することを指向している。アミノ酸のようなバイオスティミュラントは、作物の生産コストを大幅に削減し、単位生産量あたりのコストを下げて生産量を増やし、配送にかかる諸経費を大幅に削減。化学薬品の使用量が増加していることに対する生産者の懸念が、世界的に農業用アミノ酸の採用を促進していると考えられる。
過去50年間、人口の増加と土壌の侵食により、耕作地が大幅に減少。頻繁に畑を耕したり、化学肥料の使用量を増やしたりすることで、土壌の劣化が進んでいる。欧州委員会によると、2018年から2030年にかけて、欧州で農業に使用される土地の量は減少する可能性がある。面積は2018年の1億7800万ヘクタールから2030年には1億7600万ヘクタールに減少すると予測されている。
世界全体で人口が急激に増加しているため、食料の需要が増加することが予想され、予測期間中、アミノ酸などの高収量作物ソリューションの需要が促進され、農業用アミノ酸市場の見通しが明るくなると考えられる。
Precision farming(精密農業)は、土地が限られていることや農法の改善により、人気が高まっている。この農法では、アミノ酸などのバイオスティミュラントを使用して、収穫量や生産性を向上させる。米国、ドイツ、英国、フランスなどの先進国では、精密農業への需要が高まっており、農業用アミノ酸市場を大きく押し上げると予想される。
一方、発展途上国の農家のほとんどは、アミノ酸の利点について認識していない。発展途上国では、農業と農業関連産業において、技術的に進歩した製品の導入率が低迷。さらに、農家はバイオベースの製品と比較して、入手のしやすさや価格の安さから、化学ベースの農業製品に慣れ親しんでいる。そのため、エンドユーザーがアミノ酸のような先進的な製品の採用に消極的であることが、予測期間中の世界の農業用アミノ酸市場を抑制すると予想される。
同市場の主な製品は、農業用アミノ酸の世界市場は、リジン、メチオニン、グルタミン酸、ロイシン、バリン、アルギニン、グリシン、アラニン、プロリン、その他に分類。2019年の世界の農業用アミノ酸市場では、グルタミン酸が高額製品セグメントで、この傾向は予測期間中も継続すると予想される。また、リジンセグメントは、過去数年来、大きなペースで拡大。世界の農業用アミノ酸市場のリジンセグメントは、予測期間中に大幅に拡大すると予測される。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日