取り付けるだけで移動ロボット 電動クローラユニット「CuGo」が300台導入突破2021年10月27日
株式会社CuboRexが開発した、農地や建築現場などの「不整地」と呼ばれる凸凹な場所での作業負担を軽減し効率化できる産業ロボット向け電動クローラユニット「CuGo」が、発売開始から21か月で累計販売台数300台を突破。CuGoを活用した自動除草機・収穫サポートロボットなど最新導入事例4社を公開した。

CuGoは、大学など研究機関やスタートアップで開発された産業ロボットを移動させるための「足」として利用される電動クローラユニット。組み立てて取り付けることで、なんでもすぐに移動ロボット化できる。特にタイヤで走行できない農地や建築現場等凸凹な「不整地」での走行性に優れている。
従来、不整地での移動ロボット開発は受託開発が一般的で、開発にコストも時間もかかることが課題だった。一方、「CuGo」はクローラ自体に動力を内蔵・パーツ化させ、何にでも簡単に取付けられるようにしたことで、移動ロボット化のコスト圧縮と時間短縮の両方を実現した。
主にスマート農業や土木分野における産業ロボット開発者が利用。特に高齢化や人手不足が深刻な農業では、収穫や運搬の作業負担軽減・効率化が課題となっており、移動ロボットによる人のサポートが期待されている。
人力による運搬や作業負担を減らす移動ロボットを簡単に作れるCuGoは、スマート農業以外にも土木等スマートコンストラクション分野や、人が入れない災害現場など幅広い活用が考えられ、今年度内にCuGoのバーションアップを予定している。
電動クローラユニット「CuGo」
◎CuGo活用 産業ロボット開発事例
1.東京大学大学院農学生命科 海津裕教授「小型自動除草ロボット」
農家の「農作業の中でも除草が特に大変で、ロボットでなんとかならないか」という声から作られた自動除草ロボット。狭い畝の間も自動走行して草を刈り、重たい雑草を載せて安定して走れる。その他自動栗拾いロボット、農作物の成長観察ロボット、農地内マップ制作用移動ロボット開発も予定。
2.ロボット開発研究者 橋本さん「みかん収穫サポートロボット」
自身がみかん農家の収穫手伝いをしヘルニアになった経験から、農家の腰痛を軽減するため開発された「みかん収穫サポートロボット」。傾斜地の多いみかん農家にとってみかんの運搬が最も腰に負担になるため、農作業者は、もいだみかんをかごにいれるだけ。傾斜地でも安定して作業者を追従してくれる。
3.仙台高等専門学校 園田潤教授「行方不明者探索やインフラ点検用地中レーダーロボット」
東日本大震災の行方不明者探索のため、砂浜のような不整地を地中レーダーで自動探索可能にしたロボット。海ゴミ回収ロボットのプロトタイプも開発し、実用化をめざしている。
4.株式会社Quantomics 坂本代表「自律走行型作物数カウントロボット」
農作物を品質改良するための栽培試験において、どの品種が最もよく育つかを知るため、カメラによって農作物の数をカウントするロボットを開発中。従来の栽培試験では人が見て一つずつ作物の数をカウントしていたが、ロボットが農地内を自律走行して数をカウントすることで品種改良を効率化させる予定。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































