【年頭あいさつ2022】雨宮宏司 一般社団法人日本農業機械化協会 会長2022年1月3日
![農協機械化協会 雨宮会長本文](https://www.jacom.or.jp/shizai/images/c93003cc69ecf7fbadb273734a4e91f8.jpg)
一般社団法人日本農業機械化協会会長
新年明けましておめでとうございます。一昨年来続いたコロナ禍も、昨年秋の緊急事態宣言終了後は落ち着きつつある状況となりました。変異株による再感染には細心の注意を払った上で、早く正常な社会経済活動が可能になることを祈るばかりです。
さて、コロナ禍を通じ、農業生産・食料供給は国民生活の根幹をなすエッセンシャル・ワークであることが再認識されています。農業生産に必須の資材である農業機械に関しては、スマート化の強力な推進が目下の課題であり、先般の岸田総理の所信表明においても、成長戦略の中に「スマート農業などのサービスを実装していく」ことが述べられています。
ロボットトラクターなどのスマート農機を実用化するに当たり、重要なポイントとなるのが安全性の確保です。このため当協会は、研究機関や関係メーカーなどの参集を得て、安全方策策定のための検討を行っています。検討結果については農林水産省に提言され、農業機械の自動走行に関する安全性確保ガイドラインに反映されています。
一方、従来ベースの農作業安全対策も非常に重要です。依然として毎年300件前後農作業中の死亡事故が発生し、就業人口当たり死者数も増加傾向にあることから、安全対策の強化は喫緊の課題となっており、危機感をもって対策に当たる必要があります。このため、農林水産省は昨年2月有識者などで構成される「農作業安全検討会」を設置し、幅広い観点から「農作業環境の安全対策の強化」と「農業者の安全意識の向上」の検討に取り組んでいます。当協会はこの一環として、令和3年度末までに全都道府県において「農作業安全に関する指導者向け研修」を開催し、今後農業者に対する研修の講師や安全啓発活動の担い手となる指導者を育成しています。この活動を通じ全国で4千人以上の指導者が育成されます。彼らを核として、地域の農業者の安全意識の一層の向上が図られることが期待されます。
さらに、生産性向上・コストの低減については、特に中古農業機械査定士制度の設置・運営に力を入れており、全国どこででも実機を前にして、スマートフォンやタブレットに型式名や年式、要修理箇所などを入力して査定価格が算出できる仕組みを運用するなどにより、健全な中古市場育成を目指しています。
末筆となりましたが、本年も農業機械化・施設化に尽力される皆様のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
重要な記事
最新の記事
-
(393)2100年の世界【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月19日
-
【'24新組合長に聞く】JA鹿児島きもつき(鹿児島) 中野正治組合長 「10年ビジョン」へ挑戦(5/30就任)2024年7月19日
-
冷蔵庫が故障で反省【消費者の目・花ちゃん】2024年7月19日
-
農業用ドローン「Nile-JZ」背の高いとうもろこしへの防除も可能に ナイルワークス2024年7月19日
-
全国道の駅グランプリ2024 1位は宮城県「あ・ら・伊達な道の駅」が獲得 じゃらん2024年7月19日
-
泉大津市と旭川市が農業連携 全国初「オーガニックビレッジ宣言」2024年7月19日
-
生産者と施工会社をつなぐプラットフォーム「MEGADERU」リリース タカミヤ2024年7月19日
-
水稲の葉が対象のDNA検査 期間限定特別価格で提供 ビジョンバイオ2024年7月19日
-
肩掛けせず押すだけで草刈り「キャリー式草刈機」販売開始 工進2024年7月19日
-
サラダクラブ三原工場 太陽光パネルの稼働を開始2024年7月19日
-
「産直アウル」旬の桃特集 生産者が丹精込めて育てた桃が勢揃い2024年7月19日
-
「国産ももフェア」直営飲食7店舗で25日から開催 JA全農2024年7月19日
-
「くまもと夏野菜フェア」熊本・博多の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年7月19日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(1)地域住民とともに資源循環 生ごみで発電、液肥化2024年7月18日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日
-
【注意報】過去10年間で最多誘殺 水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2024年7月18日
-
【注意報】平年の4倍 水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年7月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「財務省経済産業局農業課」て何?2024年7月18日
-
1970年代の農村社会の異質化の進展と農業【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第299回2024年7月18日