家畜糞尿の堆肥化と滅菌処理を1台で 急速発酵乾燥資源化装置「ERS」新技術導入 JET2022年1月4日
急速発酵乾燥資源化装置システム「ERS」を製造・販売する株式会社JETは、新たな特許技術の導入により、1台で家畜の糞尿の堆肥化と滅菌処理ができる機能を追加し、畜産農家や国、地方自治体、農業協同組合など畜産防疫関係者への提案を2021年12月から始めた。
特定の畜舎で鳥インフルエンザや豚熱などの家畜感染症が発生した場合、一般的に殺処分した家畜の死骸は農林水産省の防疫指針に沿い埋却処分か焼却処分される。また、近年では、それらの処分の代替方法として移動式レンダリング装置の活用を、農水省が推進しているが、いずれの処分方法にも汚染や悪臭など課題が残る。JETはこうした課題を解決するため、特許技術「有害微生物を含む有機物の処理方法」をERSに導入。これにより、畜産農家は感染症専用機を購入せずに自身で滅菌処理が可能になり、いち早く衛生的な事業環境を取り戻すことができる。
新たな導入技術は、ERSに投入した家畜の死骸を121℃で20分間以上加熱する「滅菌」と、装置内に定植した微生物と装置の減圧機能を併用した「発酵乾燥」を実現。これにより、畜舎にERSを1台を導入することで、悪臭や排水を出さずに、感染症発生時の死畜処理(滅菌と発酵乾燥)と日常時の糞尿処理(発酵乾燥)の両方を行うことができる。
また、日々の利用では、糞尿を高速処理で畜舎に残留せず、感染源となるネズミ、虫、渡り鳥などの動物が寄り付くことを防ぐ。1日で発酵乾燥が完了するため、堆肥舎(コンポスト施設)は不要。感染症発生時には、死畜処理で滅菌工程と発酵乾燥工程を経て二次感染を防ぎ、安全なバイオマス燃料や肥料に再資源化でき、一般廃棄物として廃棄することも可能で、死畜の埋却用地や焼却炉の確保が不要となる。
同社は今後、車載型の移動式ERSや、装置のレンタルサービスなど、多様なニーズに対応できるよう、展開を計画している。
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