農業用繊維の市場規模 2026年に190億米ドル到達予測2022年2月24日
グローバルインフォメーションは2月17日、市場調査レポート「農業用繊維の世界市場:繊維素材別 (ナイロン、ポリエステル、PE、PP、天然繊維)・生地形成技術別 (織布、ニット、不織布)・製品種類別 (シェードネット、マルチマット)・用途別・地域別の将来予測 (2026年まで)」(MarketsandMarkets)の販売を開始した。
同レポートによると、農業用繊維の市場規模は、2021年の146億米ドルから年平均成長率(CAGR)5.4%で成長し、2026年には190億米ドルに達すると予測。アジア太平洋地域を中心とした、屋外農業や環境制御型農業の成長に伴い、農業用繊維の需要と使用が急速に増加している。
新型コロナウイルスは、旅行・観光業、製造業、航空業などの金融分野だけでなく、産業分野にも大きな経済的影響を与えており、ロックダウンを課す国が増えたため、経済活動が低下し、世界経済に影響を与えている。
さらに、経済の相互接続性が高まっており、新型コロナウイルス封じ込め措置の悪影響は、サプライチェーンの混乱、輸入製品やサービスに対する需要の低下、失業率の上昇などから明らか。金融市場ではリスク回避の動きが強まり、史上最低水準の金利や株式および商品価格の急落が見られた。また、消費者信頼感や企業信頼感も大きく低下している。
牽引要因:世界的な農業生産高の増加
世界の人口は、2030年には約85億人に達すると推定。特に、東欧、中央アジア、中南米、アジアでは、急速な人口増加に伴い、食料需要の増加が見込まれている。人口増加に伴う食料需要の増加は、農業生産性を圧迫するが、こうした農産物需要の急激な増加は、温室などの技術を導入した管理農業によって達成される。農業用繊維は、土壌侵食の最小化、栄養分の供給、地温の上昇、雑草の成長抑制などにより、作物の品質と農業生産性の向上に役立つため、農業生産量の増加は、農業用繊維の需要を促進する上で重要な役割を果たしている。
抑制要因:原材料価格の乱高下
原材料費の高騰は、農業用繊維市場の成長を徐々に制限。同市場は、原材料価格の上昇による課題に直面しており、消費者のニーズの変化、原油価格の高騰、世界的な貿易傾向などの影響を受けている。農業用繊維メーカーの多くは、原材料価格の変動が業績に影響を与える中、持続的な利益率を得ることが課題となっており、中東諸国の原油価格は、ポリプロピレンの価格動向に大きな影響を与える。原油が過剰に供給されると価格が下がり、市場が不安定になるため、生産者は原材料であるナフサの価格を維持するため、生産量を減らす傾向がある。
市場機会:技術の進歩
保護栽培面積の増加に伴い、UVカット、NIRカット、蛍光、超熱などの機能を付加した様々なタイプの繊維を生産するための研究開発活動に焦点が当てられている。UVカットフィルムは、植物を病気や害虫から守るためのフィルムで、温室内での紫外線の透過を遮断し、病害虫の発生を抑えられる。近赤外線遮断フィルムは、放射線を遮断し、植物の成長を促進。蛍光フィルムは、300nm〜700nmのスペクトルの放射線だけを温室内に通す。このように、土壌燻蒸、点滴農法、作物への換気などの技術の進歩は、市場に潜在的な機会をもたらすと期待されている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日