生分解性フィルムの市場規模 2026年に14億米ドル到達予測2022年3月2日
グローバルインフォメーションは2月25日、市場調査レポート「生分解性フィルムの世界市場:種類別 (PLA、でんぷんブレンド、生分解性ポリエステル、PHA)・用途別 (食品包装、農業・園芸、化粧品・パーソナルケア用品包装、工業用包装)・地域別の将来予測 (2026年まで)」(MarketsandMarkets)の販売を開始した。
同レポートによると、生分解性フィルムの市場規模は、2021年の10億米ドルから年平均成長率(CAGR)7.2%で成長し、2026年には14億米ドルに達すると予測されている。プラスチック廃棄物とその環境への悪影響に関する意識の高まりは、同市場成長の主な要因の一つ。さらに、食品包装業界での需要の高まりや、農業・園芸分野での需要なども、生分解性フィルムの市場成長に寄与している。
生分解性フィルムの主な用途は、農業・園芸と食品包装。新型コロナウイルスの影響で2020年の生分解性フィルムの需要は落ち込みが予測されるが、常に稼働している食品業界における同市場への影響は、無視できる程度と想定される。また、農業分野における影響は、サプライチェーンの混乱により、若干のマイナスが考えられる。
牽引要因:食品包装業界からの高い需要
ポリ乳酸(PLA)、デンプンベースのプラスチック、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、廃棄性、分解性、リサイクル性に優れており、食品・飲料包装製品製造の原材料として使われるケースが増えている。これにより、企業はブランディングや顧客獲得のための戦略としてグリーンパッケージングラベルを採用するようになり、食品包装やコンポスト可能なバッグにおける生分解性フィルムの需要が増加している。
抑制要因:生分解性フィルムの高コスト
同市場の成長を抑制する要因は、コスト競争力がないこと。一般的に、生分解性フィルムの製造コストは、従来のプラスチックフィルムと比較して20~80%高くなる。これは主に、生分解性プラスチックの重合コストによるもので、ほとんどのプロセスがまだ開発段階にあり、スケールメリットが得られていないため。
市場機会:急成長するバイオプラスチック産業
生分解性フィルム市場にとっての好機と考えられるのが、世界中で目覚ましい成長を遂げているバイオプラスチック産業。例えば、Packaging Europeが2019年12月に提供したデータによると、世界のバイオプラスチックの生産能力は、2019年の約210万トンから2024年には240万トンに増加すると予測されている。
従来のプラスチックフィルムと比較して、空気、水、酸素に対するバリア性の低さや、熱に対する耐性の低さが、生分解性フィルムの性能上の課題となっている。
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