農業における生物製剤の市場規模 2027年に246億米ドル到達予測2022年4月1日
グローバルインフォメーションは3月28日、市場調査レポート「農業用生物製剤の世界市場:機能別・製品種類別 (微生物、マクロビアル、情報化学物質、天然物)・適用方法別 (葉面散布、土壌・種子処理)・作物の種類別・地域別の将来予測 (2027年まで)」(MarketsandMarkets)の販売を開始した。
同レポートによると、農業用生物製剤の市場規模は、2022年の129億米ドルから年平均成長率(CAGR)13.7%で成長し、2027年には246億米ドルに達すると予測されている。有機農業への取り組みと環境保護への意識の高まりが、農業分野における生物製剤の需要を後押し。化学薬品を使うことによる土壌の悪化、生産性の低下、害虫の蔓延などの要因が、作物保護および作物強化のための生物製剤市場の成長を促している。
新型コロナウイルスが農業システムに与えた破壊的な影響は、広範囲にわたり、食糧、商品、労働力とエネルギー資源は、世界、国と地域全体の不確実性によって揺り動かされた。世界経済に対する衝撃は、食糧の需給に影響を与え、短期的かつ局所的な不足を招いた。また、健康への関心の高まりは、消費者の意識を高め、高価値の果物や野菜に対する需要を増す要因となった。食品分野ではすでに、持続可能な栽培が可能な作物へ需要は変化しており、パンデミックはこの傾向にさらに拍車をかけた。
一方、パンデミック発生の最中でも、農業生産と貿易の継続を確保するため、世界各国で努力が払われたことから、農業用バイオ製品の需要に大きな影響はなかった。家庭での調理を余儀なくされた人々の食料品に対する需要が急増し、食料生産に対する需要が高まった。ミレニアム世代の人々は、健康的な生活、食の安全、農業の持続可能性などの用語に対する意識の高まりから、近い将来、生物製剤の需要が増えることが推測される。
有機農業は、高品質で管理された安全な食品の生産を可能にし、その結果、経済的、環境的に高い利益をもたらし、健全な生態系を維持することができる。有機農業生産に対する消費者の関心は、ここ数年、かつてないほどの勢いで高まっている。
農場で栽培された野菜に農薬や化学肥料が使用されることへの懸念が、有機食品の採用を増加。2019年のオーガニック・トレード・アソシエーションの調査によると、オーガニック食品はオーガニック産業全体の90%を占めている。
生物製剤の使用に対する技術的・環境的制約
農業用生物製剤は、保存期間が短く制限されており、汚染の可能性が高い食品。農業用植菌技術における問題の一つは、保存中の微生物の生存となる。その他の問題となる事象には、直射日光への暴露、培養液、収穫時の微生物の生理状態、保存中の温度維持、保存期間に影響を与える水分活性の高い植菌が含まれる。
また、微生物接種剤を土壌に添加する際に問題となるのが、殺菌剤や殺虫剤など他の農作物との相性で、製品によって異なる結果が得られる可能性がある。肥料に使われる化学物質とバイオ肥料との相性問題があるため、バイオ肥料は一般的に肥料と混合して使われる。
重要な記事
最新の記事
-
(393)2100年の世界【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月19日
-
【'24新組合長に聞く】JA鹿児島きもつき(鹿児島) 中野正治組合長 「10年ビジョン」へ挑戦(5/30就任)2024年7月19日
-
冷蔵庫が故障で反省【消費者の目・花ちゃん】2024年7月19日
-
農業用ドローン「Nile-JZ」背の高いとうもろこしへの防除も可能に ナイルワークス2024年7月19日
-
全国道の駅グランプリ2024 1位は宮城県「あ・ら・伊達な道の駅」が獲得 じゃらん2024年7月19日
-
泉大津市と旭川市が農業連携 全国初「オーガニックビレッジ宣言」2024年7月19日
-
生産者と施工会社をつなぐプラットフォーム「MEGADERU」リリース タカミヤ2024年7月19日
-
水稲の葉が対象のDNA検査 期間限定特別価格で提供 ビジョンバイオ2024年7月19日
-
肩掛けせず押すだけで草刈り「キャリー式草刈機」販売開始 工進2024年7月19日
-
サラダクラブ三原工場 太陽光パネルの稼働を開始2024年7月19日
-
「産直アウル」旬の桃特集 生産者が丹精込めて育てた桃が勢揃い2024年7月19日
-
「国産ももフェア」直営飲食7店舗で25日から開催 JA全農2024年7月19日
-
「くまもと夏野菜フェア」熊本・博多の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年7月19日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(1)地域住民とともに資源循環 生ごみで発電、液肥化2024年7月18日
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日
-
【注意報】過去10年間で最多誘殺 水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2024年7月18日
-
【注意報】平年の4倍 水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年7月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「財務省経済産業局農業課」て何?2024年7月18日
-
1970年代の農村社会の異質化の進展と農業【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第299回2024年7月18日