プラスチック被膜殻の海洋流出防止に向けた取組方針を公表 日本肥料アンモニア協会2022年4月13日
日本肥料アンモニア協会は、全国複合肥料工業会、全国農業協同組合連合会とともに、「緩効性肥料におけるプラスチック被覆殻の海洋流出防止に向けた取組方針」とそのロードマップを公表した。
水稲用一発肥料における被覆肥料・対策のポイント
化学肥料は、現代の生産性の高い農業経営に欠くことの出来ない基礎的な生産資材となっている。我が国では、化学肥料の安定供給を通じて国産農産物の安定生産を実現し、更には国民への安全・安心な食料の供給に貢献してきた。このうち、プラスチック等で被覆加工した被覆肥料は緩効性肥料とされ、作物の生育に合わせて肥効特性を適切にコントロールできることから、環境負荷の低減効果、農作業の省力効果等が高く評価され、我が国における農業生産の高度化に貢献してきた。特に環境面では、作物の生育に使われない無駄な肥料を減らすことができ、肥料の投入量の削減が可能となり、地下水などへの栄養分の流出抑制、温室効果ガスである一酸化二窒素の発生抑制など、環境面での効果も期待される技術と位置付けられてきた。
2015年に「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連サミットで採択されたこと等を背景に、国内外においてプラスチック資源循環のあり方の議論が活発となった。こうした中で、化学肥料を扱う(肥料関係)では、2018年から2019年にかけて「プラスチック資源循環アクション宣言」を公表した。緩効性肥料におけるプラスチック被膜殻の海洋流出防止等に向けて、農業者への注意喚起、被膜殻の分解性の向上等に向けた技術開発、他の機能性肥料の活用拡大等を推進する基本的な方針を表明し、これに沿った取組を進めてきた。
政府は、2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」及び「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を策定し、2021年1月には同戦略に基づきバイオプラスチックの導入に向けた国の施策方向を示した「バイオプラスチック導入ロードマップ」を策定した。また国会でも、2021年6月に制定された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に関して、参議院環境委員会の附帯決議において、環境への流出状況の把握、流出量の削減及び回収のための報告体制の整備、生分解性素材等による代替製品の研究開発が盛り込まれた。
こうした動きを踏まえ、肥料関係では、前回の「プラスチック資源循環アクション宣言」を更に具体化し、取組方針を策定した。具体的な内容は下記の通り。
1.取組方向
・被覆肥料にプラスチックが含まれていることの周知。
・プラスチック被膜殻の農地からの流出抑制対策の実施。
・新技術の開発と普及によるプラスチック被膜に頼らない農業の実現。
2.具体的な取組内容
・肥料の包装袋だけでなく、パンフレットやチラシでもプラスチック使用製品である旨が明確にわかる内容を記載する。
・肥料の包装袋等へのQRコード表示などを通して、プラスチック使用製品を使用する場合の流出防止対策などの必要な情報を提供する。
・被覆原料の違いにより肥料の効果に違いがあることから、肥料使用者の製品の選択に役立つよう、法律の下でプラスチックなど肥料に使用されている被覆原料の種類が明らかになるよう表示の見直しを要請する。
・被膜殻の流出防止対策をパンフレットや動画などでわかりやすく取りまとめ、関係機関と協力もしながら周知を進める。
・被膜殻の流出実態をできる限り詳しく把握して、より効果的な流出防止対策を継続的に検討する。
・農業生産現場での流出防止対策などの実施状況を把握し、より効果的な周知方法を継続的に検討する。
・現行技術による代替施肥方法の実証と普及を進める。
・被膜の薄膜化などを通じてプラスチック使用量を削減した被覆肥料の普及と更なる削減に向けた開発を進める。
・生分解性樹脂など海洋汚染リスクが低く、より環境にやさしい素材を使用した被覆肥料の開発を進める。
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