微生物植物活性剤「東京8」がJAS有機資材認定 有機農業の生産性を倍増 太陽油化2022年4月15日
株式会社太陽油化(東京都板橋区)が開発した微生物植物活性剤「東京8」が、有機JAS資材の適合性評価を受け、認定資材として登録を完了した。利用が簡単で同等品より比較的安価な資材で、有機JAS資材登録を受けたことにより、今後は国内での有機農業支援を広げる。
ジャポニカ米による比較。分げつ数が慣行栽培23に対して「東京8」利用は33。
田植えから3か月(インドネシア)
資源リサイクル&アップサイクルを本業とする同社は、高層ビルや地下街の汚水汚泥の中間処理業者として35年前から営業。その汚泥処理業務を効率よく推進するため、分解処理能力の高い微生物の研究を続けてきた。そのなかで発見したのが処理能力の高い集団微生物で、これを応用して土壌改良にも効果を発揮する「東京8」を開発した。
約10年前から農業分野での実験を重ね、成果を確認し、2017年には肥料として登録。このほど、有機JAS認定資材としての適合性評価を受け認定資材として登録も完了した。
農業の基礎である土づくりに水、空気と栄養素である堆肥、栄養素を分解して植物の生育を助ける微生物は欠かせない。土の中にもともと存在している微生物の質が変える「東京8」は、従来の微生物コミュニティーを統制し、植物が生育しやすい環境作りに貢献する微生物植物活性剤。堆肥は一般的に遅効性と言われるが、「東京8」は、有機物を植物に必要な栄養源である無機化を促進して、化学肥料に匹敵する機能が期待できる。
「東京8」を使用したネギ(右)と使用せずに栽培したネギの比較
「東京8」は液体で、使用の際は、播種や育苗期~成長期まで水に薄めて合計5回ほど散布。背負いポンプ、動力噴霧器、ドローン噴霧、潅水チューブなど利用でき、特に育苗期の成果は数多く報告されている。また、ほぼ無臭で、皮膚毒性も経口毒性もない。価格は同種の植物活性剤に比較して安価な10リットル入り容器で1万1000円(税込・送料別)。直販と代理店を通じて販売する。
「東京8」については、これまで海外で実証実験を重ね、インドネシアを皮切りに、途上国10か国以上で栽培実験が行われている。インドネシアでは2021年8月から日本米とインディカ米の現地栽培実験を始め、通常農法よりも1.4倍以上の収穫が実現できることが確認された。
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