AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」土耕栽培初の"AI施肥制御機能"を提供開始2022年4月27日
株式会社ルートレック・ネットワークスが開発、提供するAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」は、国内初の土耕栽培で施肥量を自動制御する「AI施肥制御機能」のサービス提供を開始した。
日本の農業経営体は、97%が家族経営(個人経営体)の生産者で、労力が限られる中、少ないリソースでいかに収益を上げていくか考える必要がある。また、農業年齢の高齢化などで、農業生産者1人あたりの経営面積は増えており、省力化しながら品質の高い栽培を実現する技術が求められている。
設置されたゼロアグリ
農業における潅水と施肥技術は、これまで生産者の経験と勘により行われてきた部分も大きく、作物の収量や品質に大きく影響することから、省力化や技術習得がしづらい領域。同社は、これまでAIによる潅水の自動化を提供してきたが、施肥は、生産者が作物の状態を見ながら、自ら濃度を設定し運用する必要があった。
新たにサービスを提供する「AI施肥制御機能」は、生産者は土壌センサーで計測したECの目標値を設定するだけで、ゼロアグリのAIが施肥量を自動で制御し供給することが可能になり、土耕栽培における環境制御の高度化/自動化による収益向上を実現。また、多施肥による地下水汚染や温暖化効果ガスの排出も課題となっているが、この機能を活用し必要最小限の施肥で栽培の最大化を行うことで、環境に優しい持続型の施設園芸栽培を実現する。
ゼロアグリを導入をしている一部生産者が、実際に「AI施肥制御機能」を使ったところ、作物の栽培管理の向上と肥料の削減、作業の省力化に効果があることが実証されている。各生産者のコメントは次の通り。
AI施肥制御で栽培されているトマト
■栃木県トマト栽培生産者(栽培面積70a/家族経営)
・増益のために、「美味しいトマトが高く売れる時期にECを上げて食味を増やそう」とか「いまトマトが安いから味を落としてでも肥料消費量を抑えよう」といった、農業経営におけるコントロールが可能になる点が魅力。
・肥料を節約したいときにECを低めに設定して使っている。現状の本音では肥料が高くて野菜が安いので肥料消費量を最小限に抑えたい。
■広島県トマト栽培生産者(栽培面積50a/家族経営)
・AI施肥制御機能の利用により、昨年比べ玉の肥大が良好になり、M玉よりL玉が増えた(単価の向上)。
・トマトの成長の波に合わせて欲しいタイミングで、手間なく肥料を与えられるようになったことが大きなメリットで、結果トマトの生育にも良い影響を与えられている。
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