肥料高騰で農家支援へ 上昇分の半額を助成 福岡県が22億円を予算化2022年6月6日
ウクライナ情勢などの影響で秋の肥料価格が過去最高水準となる中、福岡県は農家が購入・使用した肥料代のうち価格上昇分の2分の1を補助することを決め、6月補正予算に22億円余りを盛り込んだ。
福岡県は、6月3日に県議会で可決した補正予算のうち、「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の中で、肥料価格の高騰の影響を受ける農家を支援するため、今年6月から来年3月までに農家が購入・使用した肥料代のうち、今年度と前年度の上昇分(差額)の半額を助成する事業に22億3270万円を盛り込んだ。
助成の対象となるのは、麦、野菜、果樹、花き、茶の5品目で、対象となる栽培面積は約16万ha。全農の肥料価格などから試算して予算化したという。財源は国の国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を充てる。
同県園芸振興課は、「肥料が高騰する中、国の直接的支援の動きがまだはっきり見えないので、まず県として農家の支援に取り組んでいくことを決めた」と話している。
肥料原料をめぐっては、世界で穀物相場の上昇で需要が旺盛となるなか、ベラルーシに対する経済制裁と昨年10月からの中国の輸出規制などで需給がひっ迫して価格が高騰、今年2月のロシアのウクライナ侵略でさらに需給がひっ迫した。窒素、りん酸、加里の国際市況は、すべてが史上最高値まで上昇した。JA全農は5月31日、2022(令和4)肥料年度秋肥(6~10月)価格の決定内容を公表し、輸入尿素が前期比(春肥対比)で94%値上げとなるなど多くの品目で過去最高水準の価格となった。
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