肥料価格高騰分の半額程度など補助へ 福井県が農家の緊急支援へ約9億円予算化2022年6月14日
ロシアのウクライナ侵攻などの影響で秋の肥料価格が過去最高水準となる中、福井県は価格高騰分の半額程度を補助する方針を決め、6月補正予算案に農家への緊急支援事業として8億8700万円を盛り込み、6月13日に開会した福井県議会に提案した。
補正予算案に盛り込まれた「ふくいの農業生産緊急支援事業」は、燃料や肥料をはじめとする資材高騰で経営が圧迫されている農家を支援するもので、肥料などの資材価格や、施設園芸用ハウスビニール張替えにかかる資材高騰分を補助するために設けられた。
具体的には、米や麦など土地利用型作物の場合、肥料価格の補助として10a当たり2000円を支援する。福井県によると、対象となる面積は約3万1000haで、この分で計約5億2000万円に上る見通し。価格高騰分の約半額程度を補助することになるという。
また、ネギやキャベツなどの野菜をはじめ果樹、花などの園芸作物の肥料価格の補助としては、10a当たり11000円を支援する。対象面積は約1500haで、総額は計約1億7000万円に上る見通し。米や麦と同様、価格高騰分の半額程度の補助になる。
さらに保温性や耐久性の高い施設園芸用ハウスのビニール張替にかかる資材高騰分について、約650棟を対象に1平方m当たり150円を補助することも盛り込み、約4000万円を計上した。
県農林水産部では「肥料価格に限らず燃料費などさまざまな資材が高騰する中、農家への緊急支援に乗り出すことにした。県内の市や町でも肥料購入費の10%を補助するなどさまざまな支援の動きがあり、農家にはこうした支援を組み合わせてほしい」と話している。
肥料原料をめぐっては、世界で穀物相場が上昇するなか、昨年10月からの中国の輸出規制などで需給がひっ迫して価格が高騰し、ロシアのウクライナ侵略でさらに需給がひっ迫、窒素、りん酸、加里の国際市況は、史上最高値まで上昇した。JA全農は5月31日、2022(令和4)肥料年度秋肥(6~10月)価格の決定内容を公表し、輸入尿素が前期比(春肥対比)で94%値上げとなるなど多くの品目で過去最高水準の価格となっている。
重要な記事
最新の記事
-
ミニマム・アクセス米 輸入数量見直し交渉 「あきらめずに努力」江藤農相2025年2月12日
-
小さなJAでも特色ある事業で安定成長を続ける JAみっかびの実践事例とスマート農業を報告 新世紀JA研究会(1)2025年2月12日
-
小さなJAでも特色ある事業で安定成長を続ける JAみっかびの実践事例とスマート農業を報告 新世紀JA研究会(2)2025年2月12日
-
小さなJAでも特色ある事業で安定成長を続ける JAみっかびの実践事例とスマート農業を報告 新世紀JA研究会(3)2025年2月12日
-
求められるコメ管理制度【小松泰信・地方の眼力】2025年2月12日
-
コメの輸出は生産者の理念頼みになってしまうのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年2月12日
-
タイ向け日本産ゆず、きんかんの輸出が解禁 農水省2025年2月12日
-
地元高校生が育てた「とちぎ和牛」を焼き肉レストランで自らPR JA全農とちぎ2025年2月12日
-
変化を目指して交流を促進 JA相模原市とJA佐久浅間が友好JA協定の締結式2025年2月12日
-
カフェコラボ 栃木県産いちご「とちあいか」スイーツを期間限定で JA全農とちぎ2025年2月12日
-
価格転嫁 慎重に検討を 米 生産と流通実態調査必要 日本生協連2025年2月12日
-
2024年度日本酒輸出実績 米・韓・仏など過去最高額 日本酒造組合中央会2025年2月12日
-
「第1回みどり戦略学生チャレンジ」農林水産大臣賞は宮城県農業高校と沖縄高専が受賞2025年2月12日
-
植物の気孔をリアルタイム観察「Stomata Scope」検出モデルを12種類に拡大 Happy Quality2025年2月12日
-
「さつまいも博」とローソンが監修 さつまいもスイーツ2品を発売2025年2月12日
-
「CDP気候変動」初めて最高評価の「Aリスト企業」に選定 カゴメ2025年2月12日
-
旧ユニフォームを水素エネルギーに変換「ケミカルリサイクル」開始 ヤンマー2025年2月12日
-
世界最大級のテクノロジー見本市「CES」にて最新テクノロジーを展示 クボタ2025年2月12日
-
適用拡大情報 殺菌剤「日曹ファンタジスタ顆粒水和剤」 日本曹達2025年2月12日
-
北海道の農業関係者と就農希望者つなぐ「北海道新規就農フェア」開催2025年2月12日