卵殻膜を液体肥料など農業資材へ ENEOSホールディングスと共同出資 ファーマフーズ2022年7月11日
ファーマフーズは、ENEOSホールディングスと共同で、卵由来の液体肥料の製造事業を行うENEGGO(エネゴ)へ出資。また、グリーンテクノ21とその子会社エネゴとの業務提携契約を締結する。国内最大規模の卵殻および卵殻膜を調達し、卵殻膜繊維や液体肥料など化成品分野を強化する。
事業体制図
ファーマフーズは、サステナビリティ基本方針の重点課題のひとつに、「未利用資源のアップサイクル」を掲げ、様々な未利用資源から高付加価値素材を開発。食品、アグリ、化成品へのアップサイクルに取り組むビジネスを展開している。
卵の殻は、炭酸カルシウムの「卵殻」部分と「卵殻膜」というタンパク質の薄皮の部分から構成され、「卵殻膜」には絡み合った構造的特徴があることから、ウイルス、細菌や紫外線から中身を守る生体防御膜としての機能を持つ。この特徴を活かして開発された卵殻膜繊維は、機能性だけでなく、触り心地など使用感に優れており、持続的循環資源としての事業性が金融機関や大手アパレルメーカーに高く評価されている。
将来の卵殻膜の資源としての価値を見据え、このほど年間50トン以上の卵殻膜の収集・供給能力を有するGT21と業務提携契約を締結。これにより、ファーマフーズは国内最大規模の卵殻膜調達網を、優先的に利用できるようになった。
一方、循環型社会の実現には、調達した卵殻と卵殻膜を活用した技術・製品の普及が重要で、同社は、2021年、三洋化成工業と共同で策定した「アグリ・ニュートリション基本計画」を基に、卵殻膜を農業資材として活用することを計画。独自技術で卵殻膜をペプチド化、農産物の育成試験で効果を確認し、この技術を活用したバイオスティミュラントを農業および家庭用園芸市場に投入する。
今回、エネゴが実施する第3者割当増資をENEOSと共同で引き受けることで、卵由来の肥料の開発および製造に取り組み、化学肥料の使用低減をめざす。
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