農業用微量栄養素の市場規模 2026年に81億5000万米ドル到達予測2022年9月5日
グローバルインフォメーションは9月1日、市場調査レポート「農業用微量栄養素の世界市場(2022年)」(The Business Research Company)の販売を開始した。
同レポートによると、農業用微量栄養素の市場規模は、2021年の47億8000万米ドルから年平均成長率(CAGR)9.4%で成長。2022年に52億3000万米ドルとし、さらに2026年には81億5000万米ドルに達すると予測されている。
農業用微量栄養素市場は、事業体(組織、個人事業主、パートナーシップ)による農業用微量栄養素の販売で構成されており、作物の栄養バランスを整える上で重要な役割を果たすミネラル元素の細かいブレンドと定義されている。農業用微量栄養素は、園芸作物や豆類、穀類、香辛料、プランテーション、油糧種子などの作物を育む、植物の成長に欠かせないもの。農業用微量栄養素に含まれるミネラル成分には、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、ホウ素などがある。
農業用微量栄養素の主な種類は、亜鉛、ホウ素、鉄、銅、マンガン、モリブデンなどに分類される。亜鉛は100種類以上の酵素を触媒し、タンパク質のフォールディングを助け、遺伝子発現を調節するため、人間の代謝に必要な微量栄養素。亜鉛の欠乏は、栄養失調、アルコール依存症、炎症性腸疾患、吸収不良の患者に多くみられる。土壌散布、施肥潅漑、葉面散布、種子処理、水耕栽培で適用され、穀類、豆類、油糧種子、スパイス、果物、野菜などの作物対象に、トマト、綿、柑橘類、リンゴ、レタス、大豆、その他の栽培用途で使われる。2021年の農業用微量栄養素市場では、アジア太平洋地域が最大地域となった。
同レポートでは、土壌中の微量栄養素欠乏が、同市場の成長を促進すると予想。土壌における微量栄養素の欠乏は、マンガン、銅、亜鉛、ホウ素、鉄、硫黄、モリブデンなどの元素が少ない、または利用できない状態と定義されており、生産性や利益を低下させるため、農家にとって懸念材料となっている。
2019年、インドに拠点を置く農業の研究・教育を管理するICARが発表したレポートによると、インドは亜鉛欠乏国であるとされ、亜鉛の状況を分析した土壌サンプルの37%近くが欠乏していることが判明。土壌における微量栄養素の欠乏の増加が、同市場の成長を促進している。
技術的進歩が農業用微量栄養素市場を形成している。技術的進歩は、技術を進歩させ、強化された製品を提供することを助ける知識の発見。例えば、2019年2月、イスラエルに拠点を置く特殊植物栄養素の製造・供給業者であるHaifa Groupは、生産者と農学専門家のための新しいオンラインサービスであるNutriNetを開始した。NutriNetは、カスタマイズされた施肥プログラムの作成プロセスの最適化とサポートに重点を置いたオンラインの専門家システムで、Haifa Groupが数十年にわたる世界各地でのフィールド活動や研究活動で蓄積した、植物栄養学関連の幅広い知識が盛り込まれている。
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