バイオ肥料の市場規模 2026年に29億1000万米ドル到達予測2022年9月8日
グローバルインフォメーションは9月5日、市場調査レポート「バイオ肥料の世界市場(2022年)」(The Business Research Company)の販売を開始した。
同レポートによると、バイオ肥料の市場規模は、2021年の16億5000万米ドルから年平均成長率(CAGR)12.39%で成長。2022年に18億5000万米ドルとし、さらに2026年には29億1000万米ドルに達すると予測されている。
バイオ肥料市場は、事業体(組織、個人事業主、パートナーシップ)による、土壌に栄養を施肥して植物に利用するバイオ肥料製品の販売で構成される。バイオ肥料は、生きた微生物を含む物質で、植物の根圏や内部に定着し、種子や植物の表面、土壌に施用することで植物への一次栄養素の供給や利用可能性を高め、窒素固定、リン可溶化、成長促進化合物の生成などのプロセスで植物に栄養分を供給する。
バイオ肥料は、主に窒素固定型、リン酸可溶型などがある。窒素固定型は、農業で使われる窒素系肥料のことで、アクチノバクテリア、リゾビウム、アゾトバクター、アゾスピリラムなどの微生物が含まれ、窒素を有機化合物に変換するのを助けている。元素状窒素を植物が利用できる形に変換する方法のひとつに、生物学的窒素固定がある。バイオ肥料を使う作物は、穀類、油糧種子、豆類、果物、野菜など様々。その形態には、液体と担体があり、種子処理や土壌処理に応用される。2021年のバイオ肥料市場は、アジア太平洋が最大地域となり、北米は、今後最も急速に成長する地域になることが予想される。
食品の安全性に対する関心の高まりは、バイオ肥料市場の成長を促進することが期待されている。食品ビジネスにおける調理、加工、保管、流通を通して使用される正しい食品取り扱い方法は、食品安全と呼ばれる。
食品サプライチェーンのすべての側面が、食品安全の完全性に関係しており、農業から最終製品の包装、消費者の食卓に届くまで、食品製造のライフサイクルには多くのリスクが存在する。食の安全に対する関心が高まるにつれ、最大限の生産量で食品を生産することが求められ、その結果、食品植物の成長を促進するバイオ肥料の必要性が高まっている。2020年11月の恒例の世論調査で、食の安全や将来の食料供給に対する世界的な懸念が高まっていることが判明。この調査に参加した9か国の1つである米国では、食品の安全性と将来の食糧供給に関する懸念が10%増加。回答者の40%がこれらのテーマを最も関心のある問題の上位3つに挙げた。
さらに、世論調査対象者の半数は、食品の安全性を向上させる責任はメーカーにあると感じている。フランスでは、10人中6人が購入する食品の衛生面や安全性に不安を感じており、中国では4分の3の人が、食品や飲料がどのように生産されているかを心配。ナイジェリアでは10人中8人の生産者が食品の安全性を優先的に考えている。食品の安全性に対する関心の高まりが、バイオ肥料市場を牽引している。
重要な記事
最新の記事
-
【現地ルポ】福岡・JAみなみ筑後(2)大坪康志組合長に聞く 「農業元気に」モットー2024年7月18日
-
【注意報】野菜・花き類にオオタバコガ 栽培地域全域で多発のおそれ 既に食害被害の作物も 群馬県2024年7月18日
-
【注意報】過去10年間で最多誘殺 水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2024年7月18日
-
【注意報】平年の4倍 水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年7月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「財務省経済産業局農業課」て何?2024年7月18日
-
1970年代の農村社会の異質化の進展と農業【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第299回2024年7月18日
-
「JAサイネージ」 JA本店や金融店舗の情報発信にも利用拡大 あぐラボ2024年7月18日
-
【人事異動】JA全国共済会 新会長に坂本富雄JA埼玉県中央会会長(7月18日)2024年7月18日
-
スマホでより便利に「石川県Aコープ(ジャコム石川)アプリ」提供開始2024年7月18日
-
TOWING「宙炭」活用 根域制限栽培によるシャインマスカット栽培実証開始 日本農業2024年7月18日
-
バイトアプリで1万人採用 農中提携の農業人材サービス 労働力確保に寄与2024年7月18日
-
全国7000名以上の生産者の声を反映 生産コスト低減へ JAグループ宮城 共同購入コンバイン出荷式 JA全農2024年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 全県で多発のおそれ 秋田県2024年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年7月18日
-
【注意報】野菜、花き類にオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 過去10年最多の昨年を上回る誘殺 千葉県2024年7月18日
-
【注意報】ネギにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 千葉県2024年7月18日
-
【注意報】果樹全般に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2024年7月18日
-
農業用ドローン専用カスタマーサポート 繁忙期で対応拡大 ナイルワークス2024年7月18日
-
食物繊維が豊富なもち麦2種の品種登録 成果を紹介 生研支援センター2024年7月18日
-
AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」エントリー&ハイエンドモデル同時リリース2024年7月18日