マルチング用途の農業用フィルム 2030年にかけてCAGR4.5%で成長予想2022年11月9日
グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「農業用フィルムの世界市場 (2022年~2030年):市場規模 (用途・原材料別)・地域的展望・成長の潜在性・価格動向・競合市場シェア・予測」(Global Market Insights Inc.)を販売している。
同レポートは農業用フィルムの市場規模は、2022年から2030年にかけて、農業生産量の増加や高品質な食品への需要の高まりにより、勢いを増すと予想。気候変動と人口の増加は、食糧安全保障を含む世界的懸念の主たる原因となっていることから、世界各国の農家では作物の収量を増やし、食糧需要の増加に対応するための新しい技術を導入するようになった。
米国では、2020年の農作物の収量が全体の約0.6%のシェアを占め、米国のGDPに約1347億米ドルの貢献をしていると考えられている。その上、健康意識の高まりとそれに伴う有機食品への需要の高まりは、有機農業面積の拡大をもたらし、今後8年間の農業用フィルムの需要を促進するものとみられる。
農業用フィルム市場は、原料、用途、地域別に分類。原材料別に、エチレンビニルアセテート/エチレンブチルアクリレート(EVA/EBA)セグメントが2030年に15億米ドルに達すると予想される。
EVA/EBAフィルムは、温室や覆土トンネル等さまざまな農業用途に使われ、化学的攻撃や日射による劣化に優れた耐性を備えており、耐候性、耐久性、接着性、光学特性に優れる。こうした特性から予測期間中に市場シェアを拡大することが期待される。また、土壌や作物、飼料を保護する用途での利用が拡大していることも、同分野の成長を後押ししている。
同レポートによると、マルチング用途の農業用フィルム市場シェアは、2022年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)4.5%で成長すると予想。マルチング技術は、土壌の水分を維持し、汚染による作物や土壌の劣化を防ぐために、フィルムで土壌を覆う。食料安全保障への懸念の高まりから、成長の早い作物や高い収量に対する需要が急増しており、今後8年間は同分野の収益を押し上げると考えられる。
また、環境問題の高まりや技術の進歩により、生分解性フィルムの生産が増加しており、マルチングフィルムの採用が促進されるものとみられる。
地域別に、中東・アフリカ市場は、2030年までCAGR4.5%で成長する見通し。この地域の成長は、悪天候や水資源と耕作地の不足により、大きな需給ギャップが発生していることに起因している。急速な人口増加と食料需要の増加は、今後数年間で業界の成長を加速させる。同地域の人々の食生活は、家畜、穀物、野菜、果物に大きく依存しており、市場に新たな成長の可能性をもたらしている。
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