「ハイドロゲルシート」で鮮度保持 山形県産桃をシンガポールへ試験輸出 FARMER'S2022年11月21日
農産物の販売・輸出を手がける株式会社FARMER'S(山形県東根市)は、特殊素材「ハイドロゲルシート」の鮮度維持機能の検証のため、山形県産の桃をシンガポールへ試験輸出した。
検証を行なった山形大学の東原教授(左)とFARMER'S代表取締役の中川史明氏
「ハイドロゲルシート」は、水分を内部に含んだシート素材。梱包資材として使うことで、箱内部の温度・湿度を調整する鮮度維持機能が期待される。
同社は、山形県産の桃をシンガポールへ輸出し、特殊な梱包資材「ハイドロゲルシート」の桃における鮮度維持機能を検証。ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが運営するシンガポールの店舗へ、山形県産の桃5品種、計100キログラムを輸出した。9月20日に山形から出荷された桃は船便で輸送され、10月7日にシンガポールへ到着。その後、鮮度維持機能の検証が行われた。
ハイドロゲルシートを側面に貼付した桃の箱
シンガポールへ輸出したのは山形県産の「白根白桃」、「西王母」、「さくら」、「伊達白桃」、「黄貴妃」の桃5品種。1品種につき梱包箱内部の側面、上面、底面にハイドロゲルシートを貼付した箱と、リファレンスとしてシート無しの箱の4種類でケース分けし、5品種分計20種類の箱で比較検証を行った。
検証は山形大学で有機材料システムや高分子・プラスチック材料を研究し、さくらんぼの鮮度維持パッケージ技術を開発している東原知哉教授の監修のもと行われ、品種・シート貼付位置ごとのロス率を比較。その結果、果肉が硬い品種の桃については、箱底面へのハイドロゲルシート貼付で、良好な鮮度を維持できることが確認できた。
シンガポールの店舗スタッフからは「顧客へ自信を持って提案できる味・クオリティだった」と、好評。出荷から2週間以上経って到着したが、効果のあった品種については通常より高い鮮度と品質を保ったまま海外の消費者へ届けることができた。
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