非食用米を用いた生分解性樹脂「ネオリザ」から肥料被覆材を開発 三洋化成工業2022年12月2日
三洋化成工業(京都市東山区)は、食用に適さない米(非食用米)などを活用したバイオマスプラスチック「ライスレジン」を開発販売するバイオマスレジンホールディングス(東京都千代田区)の生分解性樹脂「ネオリザ」を用い、界面制御技術により肥料成分の溶解速度を制御する機能を付与した生分解性の肥料被覆材を開発した。この被覆材は、主成分が天然由来の成分で構成され、肥料成分溶出後の非生分解性プラスチック(被膜殻)の残存による土壌汚染や、河川や海洋への流出による汚染への対処が求められる緩効性肥料の課題解決につながるソリューションとして応用展開が期待される。
徐放性を付与した生分解性「ネオリザ」で被覆した肥料のプロトタイプ
緩効性肥料は、肥料成分の表面を被覆加工することで作物の生育に合わせて必要な量の肥料成分が溶出するように制御した肥料。追肥の負担を軽減し、過剰な施肥や肥料成分の流出を抑制するなど、農業生産性の高度化と環境負荷の低減のために重要な役割を担っている。
一方、現在の被覆材はそのほとんどがポリエチレンなどの石化由来のプラスチックであるため、肥料成分が溶出した後の被膜殻は土壌中に残留し、その一部は河川や海へ流出することで海洋プラスチック汚染につながることが懸念されていた。
同社は、緩効性肥料の海洋プラスチック汚染等の課題に対処するため、生分解性を有するバイオマスレジンHDの「ネオリザ」を活用した被覆材の開発に取り組んだ。
今回肥料被覆材の開発に用いた「ネオリザ」は米含有の生分解性プラスチックであるため、環境負荷が低く、海洋プラスチック汚染問題などに対処するための有望な材料だが、緩効性肥料の被覆材として展開するためには、徐放性を付与して肥料成分の溶出挙動を制御する
必要があった。
開発した被覆材による肥料成分の溶出挙動
今回、同社が得意とする界面制御技術を駆使して肥料成分の溶出挙動を制御することにより、「ネオリザ」の高い生分解性を維持したまま緩効性肥料として必要な徐放性を付与した被覆材の開発に成功。開発した被覆材は、生分解性を有しているだけでなく、環境中に流出した後の影響を考慮して、天然由来成分で構成される。今後、同被覆材をベースに実証検証を重ね、2027年の実用化をめざす。
重要な記事
最新の記事
-
JA共済連が新3カ年計画 協同の力で組合員・利用者との関係強化へ 令和7年度は新展開のスタートに2025年3月18日
-
備蓄米 政策効果なければ追加放出 江藤農相2025年3月18日
-
備蓄米放出でも消えぬ不足感(下) 米不足の恐れ、昨年より早く 「需給見通し」外れる背景は2025年3月18日
-
10月限がストップ安になったコメ先物市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年3月18日
-
風味豊かな落花生 たばこの輪作で栽培広がる JAはだの2025年3月18日
-
信州・中野はきのこ王国 トップクラスの生産量と品質誇る JA中野市2025年3月18日
-
出荷できないリンゴ活用 濃厚な甘さととろける口どけ JAながの2025年3月18日
-
鈴生と津田物産がJ-クレジット活用で協業 "温室効果ガス実質ゼロ"米づくりを拡大へ 農林中金がマッチング2025年3月18日
-
経営を可視化し事業拡大やJAとの関係も強化 担い手コンサルコンペティション 農林中金2025年3月18日
-
陸上養殖「おかそだちサーモン」販売店舗を一部変更 コープデリ2025年3月18日
-
栃木県に「コメリハード&グリーン岩舟店」3月29日に新規開店2025年3月18日
-
山形県南エリアに「農機具王 山形上山店」4月1日オープン2025年3月18日
-
埼玉県 3年連続で「プレミアムいちご県」に認定 日本野菜ソムリエ協会2025年3月18日
-
健康診断・血管年齢が気になる人へ「血管サポートヨーグルト」新発売 協同乳業2025年3月18日
-
TNFD事務局が日本担当設置し栗野佳子氏が着任 TNFD日本協議会2025年3月18日
-
三井化学グループ、インドにコーティングテクニカルセンターを設立2025年3月18日
-
【人事異動】エス・ディー・エス バイオテック(4月1日付)2025年3月18日
-
米粉のグミ「もちきゅあ」和グミとしてリニューアル発売 三幸製菓2025年3月18日
-
農泊総合情報プラットフォーム「FARM STAY Japan」公開 日本ファームステイ協会2025年3月18日
-
鳥インフル ネブラスカ州、メイン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年3月18日