農家の収益化&無農薬化促進 実証実験の参加者募集「ミズニゴール2.0」提供開始 ハタケホットケ2023年2月7日
株式会社ハタケホットケ(長野県塩尻市)は、開発中の小規模農家向け除草ロボットの最新改良版、GPS搭載自動運転型の「ミズニゴール2.0」を、2023年春にローンチ予定。農家の収益化と無農薬化促進を図る実証実験を始め、プロジェクト参加者の募集受付と提供を開始した。
開発中のミズニゴール2.0
同社は今後、減農薬・無農薬化への転換を進める実証実験プロジェクトとして、「地域サポーター制度」を新たに開始。全国の地方農家間のシェアリング提供と雇用創出及び収益改善を図ると同時に、田んぼ毎に異なる地質特性・環境に合わせた除草効果の分析研究を進める。
「ミズニゴール」は、全国で小規模農家が最も多く、県職員の農業副業を初めて認めるなど人材・後継者不足が深刻で、耕作放棄地など農業課題を抱える長野県で生まれた農家の重労働と環境負荷を削減するロボット。水田を走り回り、田んぼの水を濁らせることで、稲の栄養を奪う雑草の光合成を遮り除草作業を自動化する。
2022年に実施したクラウドファンディングでは、全国の応援者、地域農家からの支援で250%以上の目標支援額を達成し、長野県内の農家を対象に実証実験とレンタル提供を開始した。「ミズニゴール2.0」は、第一弾の実証実験や現場での利用状況を踏まえて大幅にリニューアルしたモデルとなる。
今回のリリースでは、GPS(全地球測位システム)を搭載し、除草作業の自動化を実現。Google Mapの位置情報と連携することで、走行ルートの自動設定、範囲設定を記録できる。複数の田んぼを保有する場合でも、例えば「A畑、B畑」と記録を呼び出すことで、前回はラジコン操作が必要だった除草作業も自動で進められる。また、本体の構造を4つに分割。モジュール型ロボットに進化したことで、パーツ毎のメンテナンス・交換、輸送・組み立てが容易になった。さらに駆動面では、搭載バッテリーを刷新したことで、従来よりも静音化とトルクアップする予定。
今回の実証実験では、農薬・肥料を使う従来の慣行農業から有機農業への転換を促進するため、日本各地でミズニゴールを使った有機米の生産と、田んぼ毎に異なる土壌・地質特性、環境に合わせた除草効果の分析を進める。さらに、売切販売ではなく 「地域サポーター制度」を新たに創設。
全国各地の地方農家間のシェアリングシステムを通じて、小規模農家の負担を最小限に抑えながら省人化ロボットを提供する。原料価格の高騰など2023年は様々なコスト高が見込まれる中、費用を抑えながら無農薬や有機農法の導入・転換を促進すると同時に、経営リスクの分散を後押しする。
2022年実験の様子
また、エリアを代表する人を "地域サポーター"として任命。小規模農家の参加負担を抑えるために域内の複数の農家間で1台の「ミズニゴール」をシェアレンタルできる制度を採用する。
すでに有機・無農薬栽培を行っている農家に加え、減農薬・無農薬転換を検討している農家、自治体、農業関係者など、地域事業者を対象にミズニゴールの実証実験参加&パートナーを募集する。
「ミズニゴール2.0」の製品および地域サポーター制度のオンライン説明会を以下の日程で実施。参加希望の農家・事業者は以下URLから申し込みを。
◎開催日程: 2月15日10:30〜12:00、2月20日14:00〜15:30
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