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放牧地の草刈り・除雪作業を省人化 5Gを活用した広大な放牧地管理の実証実験を実施 ヤンマーら2023年2月21日

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シャープ株式会社、有限会社ビッグレッドファーム、北海道新冠町、東芝インフラシステムズ株式会社、エクシオグループ株式会社、株式会社調和技研、ヤンマーアグリ株式会社、名古屋テレビ放送株式会社、株式会社道銀地域総合研究所の9社は2022年11月から2023年2月の約3カ月にわたり、ビッグレッドファーム明和(北海道新冠郡新冠町)にてローカル5Gを活用した放牧地管理の実証実験を行った。

ローカル5Gを活用した広大な放牧地管理作業の様子ローカル5Gを活用した広大な放牧地管理作業の様子

軽種馬の育成、体調管理においては、安全かつ適切な運動・摂食が可能な放牧地の管理が重要。春から秋にかけては牧草の生育が著しく、猛暑など過酷な天候下にあっても毎日のようにトラクターによる草刈り作業が必要となる。また、冬季には降雪のたびに除雪を行う必要があることから、年間を通じて長時間労働の要因となっている。

ロボットトラクターによる放牧地管理作業の構成ロボットトラクターによる放牧地管理作業の構成

同実証実験では、予め設定したルートを自動で走行するロボットトラクターに4Kカメラを搭載し、その作業領域の様子を高精細映像としてローカル5Gで伝送。基地局設備を搭載した自動車内で受信・確認するシステムを構築することにより、トラクターに乗車することなく放牧地の草刈りや除雪が可能。また、ロボットトラクターに制御信号も伝送することから、緊急停止や再発進の遠隔操作も可能となっている。

分散アンテナシステムによるローカル5Gエリア構築分散アンテナシステムによるローカル5Gエリア構築

さらに、牧草の生育が芳しくないエリアを作業対象から除外するなど、より効率的な草刈りを実現するため、ドローンとAIを用いたロボットトラクターの操作の検証も実施。作業前にドローンで撮影した放牧地の状況をもとに、AI解析により最適な作業経路を設計し、トラクターに伝送することで、より精度の高い作業の実現を検証した。

同実証実験が行われた場所は、建造物などがほとんどない広大な放牧地であり、電波の反射が起きにくい環境。一方、ローカル5Gの電波は直進性が高い高周波数であることから、このような場所に障害物が現れると、電波が遮断されてしまい、映像伝送における映像瞬断の発生が想定される。その対策として、一つのアンテナとの通信が遮断されても、別のアンテナが通信を維持する分散アンテナシステムを採用。広大かつ反射物の少ない環境でも安定したローカル5G通信を構築できることを検証した。

これらにより今後、牧草地管理作業の省人化と、牧場経営の効率化が期待される。

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