食用コオロギ利用の有機肥料に一定の成果 グリラス発表2023年3月9日
徳島大学発ベンチャー企業で食用コオロギの関連事業を展開するグリラス(徳島県鳴門市)は3月8日、徳島県の世界農業遺産内にある「田口農園 徳島」と共同で、コオロギの飼育過程で発生するフラス(コオロギの排泄物)の有機肥料としての実用化をめざす実証実験を行い、キャベツ、カボチャ、ほうれん草の生育結果で「既存の有機肥料と類似した効果が期待できる」との結果を発表した。
実証実験を行った田口農園
実験は2022年6月から行われ、キャベツ、カボチャについては、大きさなどを比較した結果、「化学肥料に劣るが、既存の有機肥料と同様の生育結果が見られた」とした。ほうれん草についてはスポットで化学肥料を使いながら、コオロギフラスと牛ふんした場合を比べ、「既存の有機肥料と類似した効果が期待できる」と明らかにした。グリラスは今後、実証実験を拡大し、実用化に向けたデータ収集を行っていく。
実験を行った「田口農園 徳島」は江戸時代から続く農家で、世界農業遺産に認証された「にし阿波の傾斜地農耕システム」を継承し、山間部の地形を生かした農法と、有機肥料、省農薬化による農業に取り組んでいる。
コオロギフラスの肥料分析値(%)
コオロギフラスは肥料の3大要素である窒素、リン酸、カリウムのうち、リン酸の割合が高く水分含有量が少ない。グリラスは「全体の成分をみると牛ふんと鶏ふんの中間程度の効果が期待でき、保管や取り回しが容易」としている。
グリラスは環境負荷の低いタンパク源である食用コオロギを、食品ロス由来100%の独自配合飼料で国内生産してきた。これまでコオロギの飼育過程で発生するフラスの活用が進んでおらず、生産したコオロギパウダーの約5倍のフラスが廃棄されていたため、農業肥料として活用できないかと考えた。
有機肥料のコオロギフラス
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日